3つのステップで休眠ユーザーをロイヤルユーザーへ
MZ:休眠ユーザーに対して、「Re-Engagement」ではどのようなアプローチを行うのでしょうか?
ヒリット:具体的には3つのステップで進めます。第一段階は休眠ユーザーをアクティベートすること。アプリをインストールしていても、何らかの理由でしばらく起動していないユーザーに、もう一度戻ってきてもらうよう働きかけます。
第二段階はリエンゲージすること。戻ってきてくれたユーザーのマネジメントを行い、その人たちから再びエンゲージメントを獲得するのです。たとえば、旅行アプリなら予約、コマースアプリなら商品の購入、ゲームアプリなら課金してもらうことが考えられます。
最後の第三段階はリテンションです。戻ってきてくれたユーザーが離れていかないように働きかけ、ロイヤルユーザーへと育成していきます。
芳井:私たちは、アプリをインストールした時から始まるファネル全体にフォーカスすることを重視しています。フルファネルマーケティングでは、新規ユーザーの獲得だけではなく、ターゲティングでファネルの下に誘導することがとても重要だからです。
どんなユーザーでも最初は熱心ですが、徐々に飽きてきて休眠ユーザーになります。アプリを削除しているユーザーへのアプローチはできませんが、「Re-Engagement」を使うことにより、ユーザーがファネルのどのステージにいるかを正確に理解し、アプリの削除や休眠ユーザーになることを防止できます。
「Re-Engagement」では、興味を持ったばかりのユーザーはもちろん、検討中や購入直前のユーザーにもアプローチを行うことができます。また「アプリを半年使っていない人」と「1ヵ月使っていない人」というように、ユーザーのステージにあわせたメッセージの出し分けも可能です。
「Re-Engagement」4つの強み
MZ:競合と比べた時の「Re-Engagement」の強みはどこにありますか。
ヒリット:私たちの強みは4つあります。一つは先ほど話したように、ファネルの特定のステージにいるユーザーを見つけ、ターゲティングができることです。
第二に業種横断的なナレッジを蓄積していることです。私たちのクライアントは、ゲームやEコマース、旅行、フードデリバリーなど様々なジャンルに及び、ビジネスごとに異なるカスタマージャーニーとその中での行動データを蓄積して学習しています。クライアントはカスタマージャーニーを理解するためにお金を使う必要はなく、新しいキャンペーンを展開するときに私たちのナレッジをゴールの達成に使うことができます。
第三の強みはクライアントのビジネスモデルそのものにフォーカスしていることです。私たちはクライアントをビジネスパートナーと考えていて、そのゴールを達成するために必要なことをインプレッション、クリック、セッション、メディアコストに頼ることなく柔軟に展開できます。
最後に、クライアントのカスタマージャーニーにおけるパフォーマンスをモニタリングするダッシュボードとレポートの提供が挙げられます。このダッシュボードはクライアントにも開放しており、どこに予算を使うのが最も効率的かの判断に役立てることができます。