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進化を遂げ、次のフェーズへ――LINEのクロスターゲティングで集客とCRMの統合的な運用を実現

 「リデザイン」として、LINE広告のシステム刷新やLINE公式アカウントとLINE@の統合など広告ソリューションをアップデートしてきたLINE。各プロダクト間のデータ連携を実現するクロスプラットフォームが整い、昨年12月には各種データをLINE広告の配信に活用できる「クロスターゲティング」をリリースした。本記事では、同ソリューションをリードする、LINE社3名のキーパーソンにクロスターゲティング活用のポイントを聞いた。

リデザインのもと、進化してきたLINE広告

――今回は昨年12月にリリースされた「クロスターゲティング」について、お話をうかがいます。まずは、LINEが進めてきた広告ソリューションのリデザインについて、これまでの動きを振り返りたいと思います。

LINE株式会社 マーケティングソリューションカンパニー カンパニーエグゼクティブ 菅野圭介氏
LINE株式会社 マーケティングソリューションカンパニー カンパニーエグゼクティブ 菅野圭介氏

菅野:LINEは企業とユーザーの長期的で良好なコミュニケーションを築くプラットフォームを目指し、2018年12月より、各種法人向けサービスのリデザインや新サービスのリリースを進めてきました。代表的なものに、LINE広告(旧:LINE Ads Platform)のシステム刷新、LINE公式アカウントとLINE@の完全統合、LINE広告のインプレッション定義の改正、LINE広告ネットワーク(旧:LINE Ads Platform for Publishers)のリリースなどがあります。

平山:特に、LINE公式アカウントとLINE@の統合は、大きなインパクトがありました。大規模プロモーションに特化していた以前のLINE公式アカウントは、月額250万円以上かかるため、多様な活用をしたいと考えているお客様を足踏みさせていた状態でした。また、LINE@は中小企業や店舗でカジュアルにお使いいただいていた反面、機能が限定的だったため、お客様一人ひとりに合った1to1の関係を築きにくいという課題がありました。

 新しいLINE公式アカウントは、プランによって0円から15,000円の月額固定料金で始められるほか、ターゲティング配信やチャット機能などをすべてのプランで利用いただけます。導入ハードルが下がったことで、プロダクトやブランド、キャンペーン、お問い合わせ専用などの用途別にアカウントを開設でき、ユーザーとのコミュニケーションをより柔軟に図れるようになっています。

泉:このように、リデザインのもと各プロダクトの開発やデータ活用の基盤構築に注力し、LINEはアドプラットフォームとして進化してきました。その結果、データの相互利用による広告配信の最適化・効果最大化が可能となり、8,300万人超のLINEユーザーのライフタイムバリューを最大化する「クロスプラットフォーム」が現実のものとなりました(2019年12月末時点)。

ついに、プロダクトをまたいだデータの相互利用が可能に!

――クロスプラットフォームが整ったことで、今回のクロスターゲティングのリリースに至ったと。

平山:そうです。クロスターゲティングは、LINE公式アカウント、LINE広告、LINEセールスプロモーションなどそれぞれのメッセージおよび広告配信やキャンペーンで取得したデータを、各サービスを横断して広告配信に活用できる機能です。

 第1フェーズとして、LINEポイントADとLINE公式アカウントで取得したデータを連携し、LINE広告での配信に活用できる機能を昨年12月にリリースしました。これにより、LINEのプラットフォームをまたいで統合的に指標を管理することが可能になります。今後も段階を経て、機能を拡充していきます。

――具体的なクロスターゲティングの活用方法を教えてください。

LINE株式会社 マーケティングソリューションカンパニー 広告事業本部 B2B事業戦略室 ビジネス開発チーム 泉貴文氏
LINE株式会社 マーケティングソリューションカンパニー 広告事業本部 B2B事業戦略室 ビジネス開発チーム 泉貴文氏

泉:たとえば、LINE公式アカウントからのメッセージを開封したユーザーや、メッセージ内のリンクをクリックしたユーザー、LINEポイントADを通じて友だち追加やアプリインストールなどを行ったユーザーのデータをもとに、同ユーザーに対するLINE広告からのリターゲティング配信や除外配信、同ユーザーに類似するユーザーへの拡張配信などが可能になります。

 ユーザーのアクションに基づいた施策を実行できるため、より高い効果が期待できるだけでなく、ユーザーにとっても最適なコミュニケーションを提供できます。

平山:LINE公式アカウントが運用型のプロダクトになったとお考えいただくと、そのポテンシャルをご理解いただきやすいと思います。LINE公式アカウントだけでなく、LINEの他のプロダクトと組み合わせて、トータルで効果を上げられることがポイントです。

LINEにしかいないユーザーにリーチできる「LINEポイント」

――クロスターゲティングの対象に、LINEポイントADのデータも含まれています。現在、LINEポイントはどのように利用されていますか?

LINE株式会社 マーケティングソリューションカンパニー 広告事業本部 B2B事業戦略室 B2Bストラテジックプランニングチーム マネージャー 平山圭介氏
LINE株式会社 マーケティングソリューションカンパニー 広告事業本部 B2B事業戦略室
B2Bストラテジックプランニングチーム マネージャー 平山圭介氏

平山:LINEポイントは、サービスの利用、動画視聴、ゲームプレイなどのミッションの達成に応じて、ユーザーにポイントが付与される仕組みです。

 LINE内の決済やお金の管理を行うLINEウォレット内にありますから、LINEポイントを貯めることが目的のユーザーもいますが、コミュニケーションや決済手段の延長で利用しているユーザーも多いことが特徴です。様々なポイントサービスを活用する習慣のないユーザーも、自発的にLINEポイントを利用している傾向があります。ユーザー属性は若年層から30~40代の女性が多く月間約3.2億PV(2019年5月~10月平均値)での利用がされており、利用ユーザー数の規模も大きいです。

――企業側は、LINEポイントADをどのように使っていますか?

平山:LINEポイントADの用途は、認知拡大だけにとどまりません。会員登録や動画視聴などの体験を提供するなど、コンバージョンのひとつ手前のユーザー接点として活用されるケースが多いです。

 クロスターゲティングでは、たとえばLINEポイントADを通して動画を視聴したユーザーをターゲティングし、LINE広告で広告を配信するといった訴求が可能です。通常だと反応されづらい広告も、LINEポイントで後押しすることで、潜在ユーザー層に動いてもらえるようなアプローチを期待できます。

広告効果を最大化する「データの濃さ」とは

――クロスターゲティングの第1フェーズで、LINE公式アカウントとLINEポイントADを連携先に選ばれたのには、理由があるのでしょうか?

泉:はい、大きく2つの理由があります。1つ目は、この2つのプロダクトにおけるユーザーデータが非常にアクティブであることです。LINE社内では「データが濃い」と表現しているのですが、LINE公式アカウントをフォローしているユーザーのデータや、LINEポイントADには様々なコンバージョンデータがあるため、優先的にデータ連携を進めました。

 2つ目の理由は、どちらもLINE広告の配信効果を最大化できるプロダクトであることです。アクティブなユーザーデータを連携させることで、LINE広告の拡張性を高め、より良質なリーチを獲得できると考えました。

 今後もクロスターゲティングの対象プロダクトは、汎用性の高さと広告配信の効果最大化を考え、順を追ってリリースしていく予定です。

8,300万人の規模で集客とCRMを統合的に運用

――クロスターゲティングを活用することで、具体的にどのようなメリットが期待できますか?

菅野:端的には、広告主様にLTVを最大化していただくことが狙いです。たとえば、ゲームアプリの広告主様がLINE広告で集客し、チュートリアルを突破しなかったユーザーに対してLINE公式アカウントでメッセージを出し分け、ROASを引き上げていく。

 他にも、通販の広告主様が、LINE公式アカウントのメッセージをなかなか開封してくれないユーザーに対し、LINE広告で別のクリエイティブを使って訴求することで開封率を上げ、結果としてLINE公式アカウントでのコンバージョン率を全体的に高めていく……などのシナリオも考えられます。

 LINE広告やLINEセールスプロモーションといった個々のプロモーション手段だけでなく、LINE公式アカウントというユーザーとつながり続けることができる場を組み合わせたプランニングができる。8,300万人の規模で集客とCRMを統合的に運用できるプラットフォームは他にないはずなので、LINEとしてこの世界を実現していきます。

平山:これまでもフルファネルマーケティングは提案してきましたが、やはり各プロダクトで独立したプランニングに留まっているところがありました。しかし、これからはクロスプラットフォーム上で一人ひとりのユーザーデータをシームレスに引き継いだ施策が可能になります。私たちも真のフルファネルマーケティングをご提案できることに、とてもワクワクしています!

菅野:やはりLINEの強みは、ユーザーの顔が見えるLINE公式アカウントがあること、ユーザーとの直接的な接点を非常に大きな規模で持っていることにあります。コミュニケーションのインターフェースであることが、極めて重要なのです。LINEなら、ユーザーデータを持ちながら、認知・集客・CRMと一貫したマーケティングが実現します。

2020年、事業主・代理店とLINE活用の方程式を見つけたい

――では最後に、今後の展望についてお聞かせください。

泉:まずは、クロスターゲティングの対象プロダクトを増やし、プロダクト間でのシームレスなデータ連携の早期実現に努めます。そして、店頭販促プラットフォームである「LINEセールスプロモーション」をはじめ、新しいプロダクトである「LINEチラシ」やトークリストの最上部に広告を配信できる「Smart Channel」などすべてのプロダクトを横断し、そのレポーティングの精度も高めていきたいと考えています。ゆくゆくは、位置情報の活用などリアルの領域にも取り組みたいです。

平山:現在のマーケティング課題として、業界ごとに使われる言語が異なるなどの複雑性があります。LINEは、これをシンプルに整え、どんなお客様でもクロスターゲティングを当たり前のように活用できるシナリオをマーケットに届けたいと思います。

菅野:2020年は、お客様と代理店の皆さまと一緒に、LINE活用の方程式を見つける年だと考えています。お客様ごとにROIやLTVから逆算した最適な方程式があるはずで、その解が生まれたところにはビジネスメリットだけでなく、ユーザーにとっても欲しいメッセージや情報が届くコミュニケーションが成立しているでしょう。この方程式を早いタイミングで確立したいと考えています。

 また、世の中にはオンラインだけでなく、オフラインも含めて情報や人のトラフィックが多く存在しています。その中で、LINEは集客をしたり、ディスプレイで情報を発信したりと、人と情報のハブになり得ると思うのです。

 人と情報がつながり、つながった先で生まれる価値をLINEが可視化し、企業とユーザーのメリットにつながる世界を構築していきたいです。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2020/02/12 09:00 https://markezine.jp/article/detail/32753