若年層に自分向けのサービスと知ってもらう
MarkeZine編集部(以下、MZ):今回は、IndeedがAbemaTVの恋愛リアリティーショーである「オオカミ」シリーズと行った大型タイアップについて、Indeed Japanで求職者や採用担当者向けのマーケティングを統括している水島さんと、AbemaTVで広告商品の開発や広告企画を行っている山田さんにお話をうかがいます。
まず、今回のタイアップを行った背景について教えてください。
水島:我々は「求人検索エンジン」を展開していますが、アルバイトを探す方から転職先を探す方までを対象にしており、いわば労働者全員がターゲットとなっています。そのため、テレビCMをはじめ様々な媒体でマーケティングコミュニケーションを行っていますが、特にアルバイトを探している若年層の中にはテレビを持っていない、スマホの接触時間が長いといった方も増えています。
そういったメディア接触を行う方に効果のあるアプローチを考えたときに浮かんだのがAbemaTVでの出稿でした。その中でも、一番若年層の視聴数が高いものに出稿しようと考えた結果、「オオカミ」シリーズが適切ではないかと考えました。
そして、大型タイアップという形で番組を応援しながら、自然な形でIndeedが視聴者に「自分向けのサービスである」と認識してもらうことを目指しました。
AbemaTVはテレビと同じカテゴリ
MZ:元々、AbemaTVが若年層に強いというイメージだったのでしょうか。
水島:そうですね、ときどき大学生にインタビューをすると「テレビは見ていないけれどAbemaTVを見ている」という声を聞きますので、若年層向けのアプローチ先として適切であろうと思っていました。
マーケティングチーム内のメディアプランニングの担当者には、「テレビとAbemaTVは一つの塊、同じカテゴリとして捉えてプランニングするように」と伝えています。マスメディアと同じ感覚でメディアプランニングがしやすい媒体だと思いますし、出稿するコンテンツもマス広告の出稿で得られたメソッドが活かせるはずです。
マスとデジタルの境目が徐々になくなってきている中で、必要なのは、マスとデジタル両方の良さを理解したプランニングだと思っています。それぞれで得られたスキル・ナレッジをどう活かせるのかという視点で取り組むことが、AbemaTVの登場でより求められるようになったと思っています。
MZ:山田さんにお聞きしますが、AbemaTVに出稿する企業は「若年層にアプローチしたい」といったニーズが多いのでしょうか。
山田:確かに、水島さんがおっしゃったようなニーズで出稿いただくことは多いですね。特に今回取り組んだ「オオカミ」シリーズにはそういったニーズが強いですし、実際にテレビを見ない方がAbemaTVを使っているという調査データもあります。
その一方で、幅広いコンテンツを展開しているのでM1やF1以外の利用者も増加していて、AbemaTVで若年層以外への施策を行う企業も増えてきています。