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マーケティングとブランドのシアワセな関係 〜アフターデジタル時代に向き合うマーケターに向けて

利益のみを追求した最適化は問題の始まり、マーケティングが果たすべき役割とは

 本連載では、デジタルシフトに向き合うマーケターに対し、オプトのエグゼクティブスペシャリスト マーケティングストラテジスト 鈴木智之氏がマーケティングに対する認識の変化について解説します。第2回となる今回は、カテゴリー・イノベーションを実現する仕組みについて考えます。

スターバックスの利益の得方を考える

 前回の記事では、利益を目的として企業活動を最適化するとコモディティを促す恐れがある、と述べました(詳細はこちら)。

 当たり前の話ですが、企業は利益を得ないと存続することはできません。だから利益を得ることは必須です。しかし、利益を目的に最適化してはいけない。これは一体どういうことなのか、事例をもとに説明してみます。

 ご存知の方も多いかと思いますが、スターバックスというブランドのコンセプトは “Third Place(第3の場所)” です。このコンセプトは、お店を訪れる人に職場と家庭以外の「第3の場所」を提供することへの意志の表明です。

 実際に訪れてみると居心地が良く、僕も移動の合間にちょっと仕事をしたり本を読んだりします。周囲を眺めると僕と同じような目的で訪れている方の他にも、レポートを書いている学生さん、友人と会話を楽しんでいるグループなどがいて「なるほど、多くの人にとっての『第3の場所』なんだな」と感じます。

 コンセプトは「第3の場所」ですが、お店にあるメニュー、つまりお金を払って購入できるものはラテやドリップコーヒー、そしてサンドイッチなどの軽食類です。場所を利用する権利に該当する商品はどこにも見当たりません。

 これはスターバックスがお客様から利益を得ているものは、コーヒー類や軽食などの飲食メニューであることを示しています。

 つまりスターバックスというブランドは、コンセプトとして”Third Place”を掲げ、お店を訪れた人に「第3の場所」という価値を提供することを目的に店舗を構え、訪れたお客様にラテやコーヒーといった商品を買っていただくことで利益を得ている、ということになります。

企業が利益最適化を求めたときにできること

 一般的に、カフェを始めとした外食チェーン店の多くは、同じブランドならどのお店でも商品の価格を統一している場合が多いので、1つの商品を買っていただいた際に得られる利益は一定です。そのためお店が創出する利益は、(客単価ー原価)×客数で求めることができます。

 この条件のもと1店舗あたりの利益最大化を目的に企業活動を最適化すると、店舗が取り得る手段は、以下のいずれか、もしくは以下をいくつかを組み合わせたものになります。

・一人あたりの買い上げ商品数(会計単価)を上げること

・商品以外のコスト(販管費)を下げること

・お店を訪れる方(客数)を増やすこと

 ある店舗がとても繁盛していて、常に席が埋まっているとしましょう。その場合客数を増やすには(店舗の面積は固定されているので)席数を増やすことはできませんから、お客様の入れ替わりを促さないとなりません。あまりに長居されては困るわけです。

 実際多くの外食チェーン店は、なるべく不快な思いをさせずに席を空けてもらうような仕組み、たとえば食べ終わった皿は適宜片付けていったり、席に着いてから一定の時間が過ぎるとサービスと称してお茶が出てきたりするなど、様々な工夫を凝らしているように思います(「長時間の勉強はお断りします」と記載された紙が堂々と入り口に張り出されているお店もあったりします)。

 さてこの条件は、僕の愛するスターバックスにも当てはまります。でもスターバックスのコンセプトは「第3の場所」ですから、訪れたお客様に早く席を空けなくちゃ、と思わせてはいけません。

 そして、僕の経験上スターバックスで働く店員さんから、早く席を空けなくちゃというプレッシャーを感じたことはありません。それはなぜでしょうか?

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この記事の著者

鈴木 智之(スズキ トモユキ)

株式会社オプト エグゼクティブ・スペシャリスト ストラテジスト 兼 マーケティングストラテジー部 部長  広告会社のストラテジックプランナーとしてクライアントのマーケティング支援に従事、ブランド資産を活用した戦略構築に強み。2016年オプト入社。CSV/カテゴリイノベーションの実現を支援するストラ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/02/21 08:00 https://markezine.jp/article/detail/32884

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