OMO時代にふさわしいアナログの価値を探せ
――対談の締めくくりとして、お二人の考えるデジタル×アナログの理想形についてお話いただけますか。
岡本:テクノロジーにせよ、今話題のDXにせよ、大切なのはそれらが人を豊かにするためのものだということ。テクノロジーは「導入して終わり」というものではなく、まして技術力の高さをひけらかしたり、コンサルや儲けの道具にしたりするものでもありません。
印刷業界では時折、DMにQRコードをつければそれで良いとか、ただバリアブル印刷にすればよいという段階で止まってしまっている場面を見かけることがあり、残念です。「デジタル VS アナログ」のような構図で語られ、デジタル印刷はコストを抑えられることを売りにしたりしているのも、本質的ではありません。
奥谷:その通りです。テクノロジーはコストを削減するための魔法ではありませんよね。
岡本: 結局、どれだけ便利なテクノロジーを手に入れても、マーケターの仕事は人をハッピーにすることであり、そのための“with デジタル”なんですよね。それを決して忘れてはなりません。そして、そのサポートをするのが私たちベンダーの仕事だと考えています。
奥谷:誰よりもユーザーのことを考えるマーケターと、人をハッピーにしたいと思っているベンダーが一緒になってホリスティックな体験を作ることができれば、デジタルとアナログを融合させたもう一段回クオリティの高いコミュニケーションが実現すると思います。それができれば、紙メディアをはじめとするアナログが、OMO時代にふさわしい新たな価値を発揮できるようになるのではないでしょうか。
岡本:最近、デジタルとアナログは相対するものという考えが徐々に薄まり、デジタル出身・アナログ出身の人たちが膝を突き合わせて議論できるようになってきたと感じています。これからどんなことが可能なのか、知恵を出し合いながら探っていくことができれば嬉しいですね。
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