DMPでアプリ内行動を分析し、施策を設計
――続いて、Twitterの広告施策についてうかがいます。ラスクラでは、どのような戦略で広告を運用していますか?
羽入田:Twitterでは、動画クリエイティブを使って、新規獲得の広告と、離脱・休眠ユーザーを対象としたリテンション広告を展開しています。CPIやCPD7(7日後のアプリ起動単価)、そしてROASなどのKPIを追い、クリエイティブと配信セグメントの掛け合わせによる勝ちパターンを見つける運用を、続けています。
今村:広告はクリエイティブが非常に重要です。新規・休眠ユーザーの獲得では、ラスクラの特長であるドット絵キャラクターを推したクリエイティブが良効果傾向にあり、アプリリリース以降、様々な訴求軸を検証しながらも、勝ちパターンとして継続配信をしています。
――では、リテンション広告の具体的な施策事例を教えてください。
羽入田:現在、インセンティブ訴求のリテンション広告を配信しています。ラスクラには、ゲーム序盤に「白の研究所」と呼ばれるポイントがあります。ゲームが盛り上がってくる重要なポイントですが、ユーザーの到達率が伸び悩んでいました。そこで、導入していたD2C Rさんの「ART DMP」を使って、ボトルネックを調査しました。
今村:ART DMPは、広告効果データのほか、インストール後のユーザー行動データを蓄積しています。白の研究所までの到達率を分析したところ、その手前のイベント地点であるチュートリアルの突破に課題があることがわかりました。
その結果を受け、ラスクラのプレイ時に7日間連続ログインするともらえるユニット確定ガチャチケットをインセンティブに組み込み、その訴求を盛り込んだクリエイティブでリテンション広告を配信しています。
リテンション広告でインストール4日後の継続率が3倍に
――まずは、連続ログインでチュートリアル突破を目指したのですね。どのような結果になりましたか。
今村:インストール4日後の継続率が、iOS/Androidともに、3倍近く上がりました。また、チュートリアル突破率の向上に比例し、ROASも伸びたのです。現在も同様のクリエイティブを配信していますが、この広告経由のユーザーの売上とROASは良いですね。あわせて、白の研究所まで到達したあとのストーリー展開を匂わせるクリエイティブも配信し、その後の継続利用およびLTV改善へとつなげています。
――先ほど、広告クリエイティブの重要性をうかがいました。制作上のこだわりを教えてください。
安周:たとえインセンティブが訴求のメインになる広告であってもドット絵キャラクターをどう活用すればラスクラの魅力を最大限引き出せるか、メッセージが安っぽく伝わらないかを常に意識しています。特に動画クリエイティブは、最初の3秒の印象がとても重要です。最後まで広告を視聴してもらえるように、動画の導入部分はインタラクティブ性を持たせるなど、ユーザーに楽しんでもらえる仕掛け作りを心掛けています。
今村:また、配信セグメントも細かに調整しています。インストール後、3日後から60日後のログインがなく、さらに累計ログインも7日間に満たない休眠ユーザーをターゲットとすることで、よりダイレクトに訴求に合った休眠ユーザーへのアプローチを行い、復帰率と売上にも貢献できています。これは、クリエイティブと配信セグメントの掛け合わせが、うまくはまった事例だと考えています。
羽入田:D2C Rさんには、月ごとに訴求テーマを設定いただき、それに応じたクリエイティブ制作や広告配信設計をお願いしています。効果を見ながら、細かく配信セグメントの調整も行ってくださいますね。自社でカバーしきれないところを、サポートいただいています。また、ゲーム内容を理解しツボを心得たクリエイティブには、安心感があります。