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MarkeZine Day 2020 Spring(AD)

実店舗主体・多ブランド展開の企業が、EC化を進めるには?10年以上の試行錯誤から見えたポイント

 女性向けアパレルブランドを多数展開する、バロックジャパンリミテッド。店舗接客を得意としていた同社は、これまで構築してきたブランドの世界観を維持しつつ、データ・ドリブンなEC展開にも注力している。しかしサービス構築にあたっては、様々な課題を乗り越える必要があったという。2020年3月10日に行われたMarkeZine Day 2020 Springでは、10年以上にわたる同社の試行錯誤の過程が明かされた。

実店舗のノウハウ流用では立ち行かない

 バロックジャパンリミテッドは日本国内で17ブランド・356店舗を有し、2019年2月期の売上は710億円超と成長を続けている。「実店舗主体ビジネスからのEコマース促進~組織、パートナー企業、顧客との向き合い方~」と題されたセッションでは、同社のEC事業部・デジタルマーケティング担当を務める柴田幸男氏が、データドリブンなECサービスを構築してきた過程を紹介した。

バロックジャパンリミテッド EC事業部・デジタルマーケティング担当 柴田幸男氏
バロックジャパンリミテッド
EC事業部・デジタルマーケティング担当 柴田幸男氏

 同社は2007年9月にオンラインストア「SHEL'TTER」を開設し、翌月には通販型ファッションマガジンも創刊した。当時のオンラインストアは、リアルでのブランド人気も高いこともあって、ネットでは商品は出せば売れるし、ファッションマガジンも全国の書店、コンビニエンスストアで販売しては売れるという状態で、デジタルマーケティングを積極的にやる必要はなかった。

EC化への主な取り組み
EC化への主な取り組み

 また、2017年6月に自社ECサイトのシステム改修に着手するまでの状況を、柴田氏は以下のように説明した。

 「当時のECサイトは『自社サイト』の体裁は繕っていましたが、ページ更新や集客、システム運営などは、すべて委託会社に任せていました。社内にデジタルマーケティングのノウハウが蓄積されず、実際は他社ECサイトに近い形の運営になってしまっていたのです」(柴田氏)

 加えて柴田氏は、これまで成功していた実店舗主体のビジネスモデルを、そのままデジタルに適用しようとしていたことに問題があったと振り返った。

 「実店舗の成功体験が大きく、長い間『実店舗優先』という文化がありました。ECについては、ブランド人気が自動的にEC売上とも連動しているところが大きく、主に雑誌で展開していたマスマーケティングの手法をブランディング面だけでなく、集客や販売時にも適用しているところがありました。」(柴田氏)

 具体的には、紙媒体の編集手法で「見た目優先のコンテンツ」を制作したり、使い勝手を検証しないまま接客ツールを導入したりしてしまった。その結果、ビジュアルは美しいもののECコンテンツとしては使い勝手が悪く、ツールとしてなかなか浸透しなかった。

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EC化の壁となった3要因

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この記事の著者

鈴木 恭子(スズキ キョウコ)

 東京都出身。週刊誌記者などを経て、2001年IDGジャパンに入社。「Windows Server World」「Computerworld」などの記者・編集を経て2013年にITジャーナリストとして独立。主な専門分野は組込系セキュリティ。現在はIT(Information Technology)とOT(Opera...

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2020/05/08 10:00 https://markezine.jp/article/detail/33041

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