連携による産物「キラーコンテンツ」
こうした問題を解決し、連携を進めたことで生まれる産物のひとつに、「キラーコンテンツ」がある。
キラーコンテンツとは、契約もしくは購入に至る直前の買い手が欲するコンテンツのこと。MAを活用して継続的に成果を出すためにも必要不可欠なものだ。
企業が届けるコンテンツは、買い手の購買プロセスと、ターゲットをどうしたいかという目的にあわせて内容を変える必要があるが、キラーコンテンツは購買意欲を測るためのコンテンツとなるので、「今すぐ客をあぶり出す」のに有効と言える。
ではどうやってキラーコンテンツを見つけるのか。これについては、「(1)データからあたりをつける」「(2)営業メンバーに聞いてみる」の2つの見つけ方があると豊川氏は解説する。
(1)に関して、豊川氏はSATORIでの実践を例に挙げた。一定期間でコンバージョンしたユーザーの中で、特定のコンテンツを見た割合を調べたところ、コンバージョンした半数以上がそのコンテンツに接触していたという分析結果が出てきた。
「コンバージョンした人が直前にどういうコンテンツを見ていたのか、多く見られているコンテンツは何なのかはGoogle Analyticsなどでわかるため、そこからあたりをつけて仮設立てすることができます」(豊川氏)
もうひとつの方法(2)は、営業の生の声をユーザーにとって刺さるコンテンツづくりに活かすものだ。豊川氏によれば、SATORIのキラーコンテンツも、営業メンバーの声から導き出されたものだという。契約に至った顧客が購入直前に欲していたコンテンツが何かをヒアリングしたところ、もれなく他社との比較表であるとの返答だったことから、比較表を制作し、Webサイト、メニュー直下に置くことを実践。実際に効果を発揮し、キラーコンテンツになったのだという。
キラーコンテンツの効果は顕著にあらわれ、見た人と見ていない人の商談化率にどの程度影響があるかを調べたところ、他のコンテンツに比べて約8倍の違いが出た。
見込み顧客は「今すぐ客」「そのうち客」に分ける
MAを導入すると、成約に近い位置にいる「ホットな見込み顧客=今すぐ客」のあぶり出しに意識が向かいがちだが、そこに重点を置いてしまうと徐々にリードが枯渇していく。
そのため将来的に顧客になり得る人にもきちんとコミュニケーションを段階的に取っていく視点を持つことが、MAを活用する上で大事になる。
SATORIではそうした将来の見込み顧客を「そのうち客」と呼び、積極的に集め、コミュニケーションしているという。
不動産を例に挙げると、「今すぐ客」は今物件を検索している人。対して「そのうち客」は結婚や進学、就職など転居をともなう予定がある人だ。このようにイメージしてシナリオを組んでいく。
セッション後半には、MAを活用して「今すぐ客」と「そのうち客」にどうコンテンツを作り届ければ良いのか、SATORIにおける事例をもとに紹介された。