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定期誌『MarkeZine』デジタルクリエイティブの作法

What to BeとHow to Beを大事に

仏壇をもっと身近なものにコミュニケーションするスマート仏壇

――バードマンのミッションは「Installing Crazy Ideas Everywhere」とのことですが、直近の取り組みで反響の大きかったプロジェクトを教えてください。

宮坂:直近で想像以上の反響があったのが、故人との新しいコミュニケーションを体現したスマート仏壇「コハコ」です。

故人とのコミュニケーションを可能にするスマート仏壇「コハコ」
故人とのコミュニケーションを可能にするスマート仏壇「コハコ」

 仏壇を買うとき、多くの人が少ない選択肢の中で仕方なく選んでいる、という課題があります。今のインテリアに合うものも少ないため、買っても置き場に困って隅のほうに隠すように置いていたりするケースもあります。

 そこで、生活者が前向きに欲しいと思える仏壇を開発しようと、数社協力のもと「コハコ」を開発するプロジェクトを立ち上げました。アイデアやUXだけでなく、デバイスそのものを自分たちで開発しました。

 おしゃれな仏壇を作るのではなく、「コミュニケーションする仏壇」をテーマに、なくなった人を思い出したり、手を合わせる機会が増やせたらと、仏前で名前を呼びかけると遺影が現れたり、生前に遺されたメッセージが再生されたり、センサーに触れるとおりんが鳴ったりと、様々な機能を搭載しました。デザインも空間に溶け込むよう、白い箱にしています。

 コンセプトの公開後、テレビなどにも取り上げられ大きな反響が得られました。現在は、エードットに事業計画の部分を手伝ってもらいながら、製品化を目指しています。

多様な引き出しからベストを導けるプロでありたい

――今後のクリエイティブに求められることはなんだと思いますか。

宮坂:今、クリエイティブに求められることは大きく変化していると感じています。広告の領域を超え、サービス・プロダクト開発の領域までクリエイターが関わることも増えてきました。

 その中で我々が気を付けているのが、ユーザーを置き去りにしないということです。特にテクノロジーを活かしたクリエイティブを制作する場合、テクノロジーを使うことが目的化しやすいので、そうならないよう細心の注意を払っています。

 加えて「どういう体験を提供できたら、ユーザーの感動を起こせるか」、いわばUXファーストで考えることも大事にしています。そして、それを実現するための技術やデザインといった引き出しを多く持っていることが大事。僕らは、実現したい体験を形にするために、ベストな技術を提案できるプロでありたいと考えています。

布施:近年オープンイノベーションが注目されていますが、海外と比べて日本で上手く機能するケースが少ないと思っています。その理由には、テクノロジーファーストで事業自体の価値や目的が希薄になっていることがあるのではと思うんです。

 本来資金が欲しいスタートアップと、新しい技術を求める大企業は、Win-Winの関係なはずなのに上手く絡めていない。このコラボレーションを上手く進める工夫が今非常に求められていると感じており、その役割を私たちが担いたいと思っています。

 事業自体に価値を作り、ビジョンやブランドパーパス、人々に共感を得られるストーリー作りを請け負い、オープンイノベーションの活性化に寄与したいと思っています。

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「Say」だけでなく「Be」を大事に

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/05/25 14:30 https://markezine.jp/article/detail/33443

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