ビッグデータとSNS口コミの分析で消費者の声を拾う

Q1:matsukiyo LAB アスリートライン プロテインバーチョコレートの開発に至った背景は?
昨今のスポーツ科学では、プロテイン(タンパク質)は筋トレ直後だけではなく、トレーニング後24時間以内のこまめな摂取が推奨されています。
そこで、トレーニング後の24時間以内の間食として、手軽にプロテインが摂取できるバータイプのプロテインバーチョコレートを開発することにしました。
開発当時はドラッグストアやコンビニエンスストアなどで簡単に手に入るプロテインバーがほとんどなく、国内メーカーの市場参入も少なかったため、外国産をインターネット通販で購入するのが主でした。プロテインの含有量と日本人の口に合う商品を開発すれば、お客様に支持いただけると考え、開発に着手しました。
Q2:商品・サービス開発をする上で大事にしていること、またデジタル化が進む中で取り入れていることは?
自社アプリやポイントカード、マツモトキヨシグループ会員、LINEの友だちなど、6,950万を超える多種多彩な顧客接点から得られるビッグデータの分析はもちろん、Twitter、InstagramなどSNSの口コミを分析し、消費者の立場になって、どのような商品が良いか、仮説立てをするなど、商品の開発に役立てています。
また、店舗に足を運ぶ前に購入を検討する商品の情報を集めるという顧客行動の変化に対応し、LINE配信やアプリプッシュ通知、Instagramやブランドサイト、WeChatやWeiboなどの海外SNSなどのデジタルマーケティングを積極的に展開し、商品認知促進に力を注いでおります。

株式会社マツモトキヨシホールディングス
商品開発課課長 櫻井壱典氏
北里大学薬学部卒業。2014年マツモトキヨシホールディングス入社。営業企画部運営企画課にて新業態「matsukiyoLAB」の開発に従事し、サプリメントバーのPB商品および管理栄養士によるオーダーメイドサプリサービスの開発を手掛ける。その後、商品部商品開発課にて医薬品・健康商品の商品開発担当を経て、現在は、営業企画部商品開発課課長を務める。
Ambassadorの声を商品開発に反映

Q1:4D 超撥水 STRETCH パンツの開発背景は?
FITスタイルでストレッチの効いた動きやすいカーゴパンツは人気の製品でした。ただ、ワークでもアウトドアでもバイクでも重宝する製品であるにもかかわらず、どのシチュエーションでも起こりうる「水」や「汚れ」に対しては弱かったんです。シェルジャケットなどの撥水の効いた製品についてもワークマンでは非常に人気で、4D 超撥水 STRETCHパンツはこの両方の特長を持つ製品として開発されました。
40回洗濯しても撥水力が持続することや着た感じのスタイリッシュさにこだわり、約1年かけて開発。定価は税込で2,900円。2019年3月開店、関西初のワークマンプラスららぽーと甲子園や路面店のワークマンプラス出店拡大の集客用重点製品としてローンチさせました。
Q2:商品・サービス開発をする上で大事にしていること、またデジタル化が進む中で取り入れていることは?
4D超撥水STRETCHパンツは当社のAmbassadorMarketingの中で開発された製品です。元々ワークマンの「熱いファン」であるAmbassadorをインサイダー化して(1)製品開発会議、(2)社内のライフテストと製品の評価を聞く会、(3)新製品の社内勉強会、(4)新製品のファッションショーや発表会などに参加していただいています。ストレッチ・カーゴパンツは当社の看板製品ですが、これに何回も洗濯できる耐久撥水ジャケットの「撥水性」を付加したらとのご提案を受けて開発しました。
社内だけで考えた製品よりも、Ambassadorのご提案やSNSの評価で開発・改造した製品のほうが良く売れています。

株式会社ワークマン 専務取締役 土屋哲雄氏
東京大学経済学部卒、三井物産入社。海外留学を経て、35歳で社内ベンチャー企業の三井物産デジタル社長に就任。本社経営企画室次長、エレクトロニクス製品開発部長、上海広電三井物貿公司総経理。三井情報株式会社取締役を経てワークマンに入社。現在は、専務取締役として経営企画・開発本部・IT・ロジスティックスを担当。