※本記事は、2020年6月25日刊行の定期誌『MarkeZine』54号に掲載したものです。
生活者とコネクトした商品開発・マーケティングを
Q1:バーチャルヒューマン「YU」の開発背景は?
よりリアルな着こなしをお客様が求められていることがわかったことがきっかけです。最旬のファッションをお届けするブランドとして、モデルによるイメージビジュアルはコレクションの雰囲気や世界観を表現する上でとても大切です。その一方で、店頭スタッフのスタイリングやSNS上で一般のお客様がGUの商品を着こなす投稿画像が、試着や購入のきっかけとなっていることがわかりました。
また、お客様のお悩みの1つに「自分の体型に合った着こなしがわからない」というお声が多く、幅広い体型に合うそれぞれの着こなし提案ができるよう、体型を自由自在に変化させることでよりリアルな提案ができるバーチャルヒューマン「YU」を開発しました。
Q2:商品・サービス開発をする上で大事にしていること、またデジタル化が進む中で取り入れていることは?
商品開発からマーケティング戦略にわたり、幅広い分野で「お客様の声」に耳を傾けること(「生活者とコネクト」)を軸とし、オンラインストアの口コミや、カスタマーセンター、SNSなどを通して日々寄せられる声をもとに、お客様(生活者)に寄り添うモノ作りやマーケティング施策を考えています。
「YU」に関しては、今後アイテムやシーン、また時節に合わせて体型が変化するなど、デジタルだからこそできる、お客様に寄り添った施策をご提供していきたいと思っています。
株式会社ジーユー グローバル商品本部
バリュークリエーション&プランニング部門 ウィメンズチーム
兼 グローバルカスタマーマーケティングチーム
兼 PRチームリーダー 若山幹晴氏
2013年に新卒でプロクター・アンド・ギャンブルジャパンマーケティング部門に入社。ヘアケアをはじめとしたブランドマネージャーなどを経て、2019年4月にジーユーに入社。PRを含むマーケティング全般のマネージャーを務め、商品・企業の両軸でブランディング活動に従事。
おやつという体験を提供するためのサービスを開発
Q1:snaq.meの開発背景は?
自身のおやつに関する課題意識がきっかけで開発しました。元々間食習慣がありましたが、娘が生まれて以降、裏面の原材料や栄養成分などが気になるようになりました。
また、歴史ある菓子業界でテクノロジーによる新たな取り組みができるのではないかと考えていました。これまで菓子業界では、店舗での流通が一般的なため賞味期限が長い商品しか販売できない、店舗の棚は大手メーカーの商品が占めており新しい商品を試せないといった課題がありました。
顧客にサブスクリプションモデルで直接販売することで、賞味期限の短い商品もロスなく販売でき、顧客データを活用した商品開発が可能になり、新しいおやつ体験が提案できると考え、snaq.meを作りました。
Q2:商品・サービス開発をする上で大事にしていること、またデジタル化が進む中で取り入れていることは?
以下の7つを意識しています。
- “お菓子”という「モノ」ではなく“おやつ”という「体験」を提供すること
- テクノロジーで体験の価値を向上させること
- 顧客との全タッチポイントが体験を構成するということ
- お客様に無理を強いないこと(健康のためにおいしくないものを食べる、食べたいのに我慢する)
- お客様のフィードバックを活用し「永遠のβ版」として改善を続けていくこと
- 特に熱量の高いお客様を特定し、その方々の声を常に参考にすること
- お客様に愛されるサービスであり続け、かつ自分たちも自社サービスを誰よりも愛し続けること
株式会社スナックミー 代表取締役 服部慎太郎氏
1981年生まれ。慶応義塾大学大学院修了後、日本総合研究所、ボストン・コンサルティング・グループにてコンサルティング業務に従事。その後、スタートアップを経て、ディー・エヌ・エーにてベンチャー投資業務を約2年間行う。2015年9月に独立し、スナックミーを設立。