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“観客数ほぼゼロ”から3,000人突破へ フェンシング太田雄貴会長が挑んだ改革【マーケ人材募集中】

決勝戦の話題化で観客数3,000人を突破

――では、観客を集めていくためにどのようなことに取り組んできたのでしょうか?

太田:まずは先程お伝えした、全日本選手権 決勝戦の話題化です。大会の構成を変えるとともに、2018年は東京グローブ座、2019年は渋谷公会堂と、会場も変えていきました。またチケット代の最高単価も、2018年には6,000円、2019年には30,000円と上げていくことで、集客数に頼らない収益の確保を実現していきました。

 チケットの単価を上げるにしても、体育館で6,000円のチケットと言われるとちょっと高い気がしてしまいますよね。でも、東京グローブ座や渋谷公会堂だと、普段アーティストのライブで使われたりもしているため、チケット代の相場も1万円、8,000円などです。そうすると、6,000円のチケット価格を置いても違和感がない。

 競技に紐付いている値段の感覚値と、箱についている値段、その二つが掛け合わさって人の金銭感覚を決めるのだとすると、比較的高い舞台、演劇をやっているような箱でやるというのは、僕たちの収益を増す方法としてはよかったと思っていますね。

 またステージの背面にLEDビジョンを設置し、そこに選手の名前や得点、所属、身長、年齢、さらにリアルタイムの心拍数を表示し、フェンシングのルールをよく知らない人でも楽しめる仕掛けを作りました。このように、大会を進化させていった結果、昨年は2日間で3,000人以上の観客が集まりました。

デジタルをかけ合わせることで、スポーツは進化する

――観客がほぼゼロの状態から、3年間で3,000人超えを達成されたのですね。どの施策も発想の転換が素晴らしいと思うのですが、こうしたアイデアはどのようにして生まれたのでしょうか?

太田:これはもう自分一人で考えるのではなく、戦略に長けている人材を集めました。それこそ、今回の募集の前身として、2018年10月にも「ビズリーチ」を使って副業・兼業限定の条件で戦略プロデューサー4職種を公募したのですが、その際に朝倉さんのような素晴らしい人材が集まって。彼らの助けがあったからこその成果だと考えています。

――朝倉さんは2年前から副業として、フェンシング協会のマーケティングに携わられているそうですね。参画されたきっかけはなんだったのでしょうか?

朝倉:純粋に「おもしろそう」と思ったからです。お話を聞いたり、記事を読んだりする中で、0→1でいろんなことに挑戦できる場だと感じました。当時私が携わっていた業界は、既に成熟産業になりつつある段階で、シェア1、2%をいかに高めるかを日々考えていました。

2年前から副業でマーケティングに関わる朝倉さん。本業では、外資系ITメーカーで戦略立案業務に従事。
2年前から副業でマーケティングに関わる朝倉さん。本業では、外資系IT企業で戦略立案業務に従事。

太田:すごいな、それは(笑)。

朝倉:(笑)。当時もやりがいは感じていましたが、自分自身で何かを生み出したいと強く思っていました。さらにフェンシングがもつ価値を生活者に届けられることにも魅力を感じていましたね。私がフェンシングを体験しただけでも、生活者に届けるべきブランドの強さを認識できました。

――今回、20代向け転職サイト「キャリトレ」を用い、スポンサーシップマーケティング人材の募集を開始されました。今回は副業・兼業ではなく、専任の方を募集されるということですが、どのような人材を求められているのでしょうか?

太田:一番は、自分で課題を見つけるのが好きで、解決するのが好きな人。あとはわくわくすることが好きな人ですね。新しく参画いただける方には、将来を共に支えて頂くパートナーを増やすためのマーケティング施策・セールス施策を考え、実行してもらいます。そうした施策は選手たちにも良い影響を与えると思いますし、少し大げさかもしれませんが、日本を元気にしていくことにもつながっていくと考えています。そういったことにやりがいを感じる人には、最高の環境なのではないでしょうか。

――朝倉さんは本業ではIT企業に務められていますが、ビジネス界からスポーツビジネスに関わる魅力をどのように感じていらっしゃいますか?

朝倉:そのスポーツが持つ、「ならでは」の価値を自ら見出し、浸透させることではないでしょうか。フェンシングは、デジタルとすごく親和性が高い競技です。剣先を可視化するビジュアライズを始め、デジタル×スポーツとしてその競技を楽しめるというのは、フェンシングならではの価値だと思っています。

 フェンシングは、最新テクノロジーを掛け合わせることでさらに進化していけるスポーツだと感じているので、そのためのアイデアを考えていけるところに楽しさを覚えています。

――最後にMarkeZine読者に向け、メッセージをお願いします。

太田:株を買うようになるとマーケットやその会社のことが何となく見えるようになるのと一緒で、スポーツも仕事として携わるようになると、そのチームのことをもっと好きになるし、もっと自分ゴト化ができると思うんですね。

 人生は、どれだけ主体性を持っているかでその人の幸福度が決まるんじゃないかなと思っているので、何か今、主体性が持てずに苦しんでいる人たちは、ぜひファーストステップとしてスポーツ団体にアプライしてみるのはいかがでしょうか。

マーケティング人材を募集中!

日本フェンシング協会は、20代の転職サイト「キャリトレ」で若手・マーケティング人材を公募しています。詳細はこちらから。

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この記事の著者

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

MarkeZine副編集長。1993年生まれ、島根県出身。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/08/06 08:00 https://markezine.jp/article/detail/33894

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