体裁よりも、情報の独自性が重要
――読まれるEメールの書き方やコツは?
Joe Pulizzi氏:短くても、長くても、HTMLでも、キュレーションでも、体裁は問題ではありません。大切なのは「他では得られない情報があるか」ということです。たいていのメールマガジンは既存のブログ記事とリンクを送ってくるだけですが、しょせんそれらは他でも得られる情報でしかありません。
自分はニューヨーク・タイムズのニュースレターを読むことを日課にしています。30~40記事をキュレートして送ってくれるのですが、その日に必要なニュースを抜けもれなくまとめてくれて、とても便利です。これは自分にとって非常に価値のある情報源です。
私自身が作成するニュースレターでは、Eメールにしか書かない情報を盛り込むよう心がけています。長さや文字数ではなく、他では得られない情報があるかどうかを、ぜひ自問してください。
人々はEメールの可能性、有効性を忘れているフシがあります。「Eメールは手段として古いので他のツールを使おう」と考える企業が増えていますが、強力なツールだということは改めて強調しておきます。

――情報はどうやって集めているのでしょうか?メール執筆にかける時間は?
Joe Pulizzi氏:私は紙のノートをいつも持ち歩いて、自分のオーディエンスが興味を持つアイデアを書き留めています。本を読むときも同じです。もしノートをもっていない場合は、帰宅してから忘れないうちにメモをとっています。なんとなくですが、紙のほうが記憶に残る気がしますし、これまで書いた100冊以上のノートは捨てずに保管しています。
Webのメモアプリの有用性はもちろん知っていますが、どうもアナログな性分で紙から離れられません(笑)。Evernoteは素晴らしいと思ったのですが、習慣化できませんでした。紙に書いてスキャンしてEvernote に飛ばす方法もためしたけどダメでした。単に古い人間なんでしょう(笑)。
ちなみにRobert Rose(CMIのチーフストラテジーアドバイザー)はなんでもEvernoteに溜め込んで使いこなしています。彼は紙だとさっと検索できない点を少し不便だと感じているようです。
メール執筆にかける時間は、1時間ほどですが、準備時間はもっと長いです。ポッドキャストは30分で終わるけれど、情報収集したり、考えたり、思考をまとめたりするのに何倍も時間がかかっています。そういう意味で、コンテンツマーケティングに関わる人は「好奇心旺盛」であると良いと思います。