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第三者の目線が情報の確度を高める ADKグループ・関口聡氏が実践する調査レポートの活かし方

 誰でも簡単に大規模調査が可能になった今、情報の質や誰が調査を実施したのかという信頼性が以前よりも重視されるようになっている。特に、自分たちで収集・分析した情報の確度を上げるために第三者によるフラットな調査レポートが役立つと語るのが、広告代理店であるADKグループの2社を率いる関口聡氏だ。今回、MarkeZine編集部が発行した『マーケティング最新動向調査2020』を購読いただいた関口氏に、目下の関心事や調査レポートの使い方について尋ねた。

アドフラウド問題の解決はますます重要度が高まる

関口聡 ADKデジタル・コミュニケーションズ代表 取締役社長 兼 ADKデジタルオペレーションズ 代表取締役社長

 

ADKデジタル・コミュニケーションズ代表 取締役社長 兼 
ADKデジタルオペレーションズ 代表取締役社長

関口 聡氏

1991年旧第一企画(現ADKマーケティング・ソリューションズ)入社。マーケティング部所属で各種広告キャンペーンの立案に携わる中で1994年頃からインターネット領域に携わってきた。長年関西にて業務を行ってきたが2018年、本社異動と共にプラットフォーム向き合いの局長となり、2020年3月より、現職に就任。

──関口さんは1990年代からデジタル領域に携わってこられて、業界の変遷を目の当たりにされてきたかと思います。広告代理店という立場から、最近ではどんなことに関心を持たれているのでしょうか。

 私がADKに入社したのは1991年で、インターネットはまだ一部の人しか使っていなかった1994年頃からデジタル領域で仕事をしています。デジタル広告業界ではこれまで様々な問題に向き合ってきましたが、昨今はこれまでにないほどアドフラウド問題が大きく取り沙汰されています。実は似たような問題自体はこれまでも出てきては忘れられていったんですが、今回は代理店やメディア、さらに業界団体やクライアントも含めて解決していかなければならないという空気を感じています。

 私自身が仕事で様々なクライアントとコミュニケーションをする中でも、やはりブランドセーフティには細心の注意を払っています。ただ、業界団体やクライアント各社において考え方や対応が統一されておらず、対策費用はどこが出すのか、どのように対策するのか、といった問題は常に懸念として挙がっていますね。

 対策費用は代理店が出すべきだと考える方もいれば、広告枠を提供しているメディアが対策しなければならないとする方もいます。業界として解決に向けた動きはありつつも、今年から来年にかけては更に重要度の増す課題になるのではないでしょうか。ADKグループでもアドベリフィケーション関連はかなり力をいれていて、情報収集や各種テストを行い、実際に対策システムを導入して広告配信しています。

 一方で、アドフラウドに関するネガティブなニュースのみが取り上げられすぎているのでは? とも感じます。各業界のマーケターやエージェンシーがどのように考えているのか、どんな対策が功を奏しているのかといった情報は今知りたいことの1つですね。潤沢な予算があるなら十分な対策もできますが、現実には対策すればするほど広告配信効果も業績も悪化するケースがあるので、非常に悩ましいところです。

情報を都合よく解釈しないために必要な第三者の目線

──同業他社や業界関係者の考えや情報を知りたいとのことですが、関口さんにはMarkeZine編集部が2020年1月に発行した『マーケティング最新動向調査2020』を購読していただいています。こうした調査レポートも普段からチェックされているのでしょうか。

 実は昨年からより積極的に情報収集をするようにしています。アドベリフィケーションもそうですが、特にプラットフォーマーの動向を広く追いかけており、この調査レポートでちょうど取り上げられていました。こうした中立的な立場で情報とその分析をまとめている資料は自分たちが持っている情報が偏っていないか、あるいは思い込みになっていないかを確認する手段として役立っています。

 ADKグループはエージェンシーですので、各プラットフォーマーとは直接やり取りしていて、その中で情報交換もしています。もちろん信頼関係があってこそ共有していただいている情報なのですが、第三者のフラットな目線で見たとき、どう評価されているのかもしっかり把握し、自分たちにとって都合のよい解釈をしていないか確認する必要があります。

 調査自体はネットを使えば誰でも簡単にできるようになりました。私がこの仕事を始めた当時は、それこそアンケートを郵送でやり取りしたり、調査会場をセッティングして直接尋ねたりするしかありませんでしたから。ネット上にはユーザーの本音がたくさんあり、インサイトが埋もれていることが多かったので、それらを活用して広告を作ることもありました。ですが、サンプル数はネット調査に到底及びません。

 ただし、調査が簡単に早く安くできるようになった反面、きちんと回答されているかどうかには疑問があります。また、誰が実施したのかもデータの信憑性を確かめるうえで重要です。簡単に調査できるということは、誰かにとって都合のいい情報を容易に集めることができるということでもあります。ですので、より中立的で公平な情報を手に入れるには、やはり第三者のフラットな目線が不可欠だと思います。

 その点で、MarkeZineのように信頼の置けるメディアが調査を行うのは価値あることではないでしょうか。新しい情報を仕入れるという使い方もできる一方で、自分たちが持っている情報の確度を高める基準としても利用できますからね。

事業をけん引していくために重視するデータは何か

──『マーケティング最新動向調査』は2021年版も制作に取りかかっているのですが、こうした情報を知りたい、まとめてもらいたいといったご意見はありますか?

 各プラットフォーマーの動向に加えて、代理店側の動きもまとまったものがあるとありがたいと感じます。ここ数年は各社で重視する方向性に違いがでてきてたり、また経営統合といった業界再編の動きも出てきていますので、しっかりと流れをまとめて押さえておくことに意味はあるでしょう。

 もう1点は、マーケターがツールやサービスなどにどれくらい満足しているかを知りたいですね。新しいツールにチャレンジしていきたいのか、それとも慣れたツールを使っていきたいのか、現状の満足度がわかればデジタルテクノロジーを提供する企業はビジネスに利用できますし、我々のような代理店も新しい戦略を考えられるようになります。国民生活時間調査のような一般的なデータが重宝する場合も多いですが、だからこそ関心のある領域についてより詳細に、具体的に調べられる専門メディアの調査レポートもかなり重要だと思っています。

1,000名を超えるマーケターの声を集約し、導入検討ツール・注力施策・予算配分などを明らかにした日本企業のマーケティングの実態がわかる調査レポート『マーケティング最新動向調査2020』は、翔泳社のECサイト「SEshop」でのみ販売しております。詳細は下記URLをご参照ください。

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この記事の著者

渡部 拓也(ワタナベ タクヤ)

 翔泳社マーケティング課。MarkeZine、CodeZine、EnterpriseZine、Biz/Zine、ほかにて翔泳社の本の紹介記事や著者インタビュー、たまにそれ以外も執筆しています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/09/18 09:00 https://markezine.jp/article/detail/34287

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