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大企業の中を理解していることが強み 次の挑戦はDX市場で

2020/09/25 14:15

 広告・マーケティング業界で活躍する人物の職業人生、キャリアを伝える本連載。今回は、オプトデジタルの野呂健太氏を紹介する。NTTドコモ、損保ジャパンと、日本の伝統企業で、新規事業の立ち上げやデジタルシフト施策を推進してきた同氏。その経験を活かし、今年4月には、オプトデジタルの代表取締役に就任した。「自身のパッションの源泉は、世の中に爪痕を残すこと」と語る野呂氏に、大企業で積み重ねたキャリアの活かし方を聞く。

目次

※本記事は、2020年9月25日刊行の定期誌『MarkeZine』57号に掲載したものです。

基礎スキルを叩き込んだ新人時代

株式会社オプトデジタル 代表取締役 野呂健太(Kenta Noro)氏
大学院修了後、2011年にNTTドコモへ入社。ネットワーク部門、経営企画部門を経て、dポイントの立ち上げに関わる。2017年に、損害保険ジャパン日本興亜(現:損害保険ジャパン)へ出向。「LINEによる保険金請求サービス」など、数多くの新規サービスの立ち上げをリードする。2020年4月より現職。趣味はサーフィン。

――今年4月に、オプトデジタルの代表取締役に就任された野呂さん。はじめに、これまでのキャリアを教えてください。

 大学院では電気工学を専攻し、2011年にNTTドコモ(以下、ドコモ)へ入社しました。日頃から「世の中を変えたい」という思いがあり、誰もが肌身離さず持っている携帯電話からイノベーションを起こせたら、人の生活が大きく変わるだろうと考えたのです。新しいサービスを立ち上げたいとやる気に満ちた新人でしたが、はじめの配属先は、携帯の基地局を保守するネットワーク部門でした。40メートルもの高さがある基地局に上るなど、地道な現場作業をしていましたね。ただその中でもサービスエリアの広さをプロモーションしようと、エリアマップの提供や街角でティッシュ配布施策を企画するなど新しい施策を工夫して立ち上げていました。その後経営企画部門を経て、入社して5年目を迎えた頃、dポイント立ち上げのプロジェクトに抜擢してもらったのです。

 ドコモでは、仕事の基礎スキルを叩き込まれましたね。数千億円規模の予算管理が当たり前な環境で、事業計画を立て、人や技術、予算などのアセットを活用し、PDCAを回していくスキルは、大企業だからこそ得られたと思います。ビジネスは攻めだけではなく、守りも必要です。今でも、当時のネットワーク部門のスローガン「計画の着実な実行」は私の仕事の進め方の重要な要素となっています。また、社内調整力と多角的な視点を、ドコモ時代に学びました。dポイントの事務局は少ない人数で異なる部署の多くのメンバーを動かしていかなくてはなりませんでした。泥臭い社内調整などもありましたが、大きな組織で新規サービスを立ち上げるにあたっては欠かせない仕事です。経営幹部や関連部社員、現場の社員、お客様、パートナー企業などのステークホルダーそれぞれの視点から、自分が作成した企画や資料が適正なシナリオかを考えることができなければ、一方通行で、自己満足な仕事になってしまいます。クライアントやバックボーンの異なる人たちと仕事をするとき、「あの人の目線になろう」とスイッチできるかどうかが大事だという考え方は、今も変わっていません。

――そして、2017年に損害保険ジャパン日本興亜(現・損害保険ジャパン、以下損保ジャパン)へ出向されました。

 人事交流施策の第1期生でした。しかし、保険業界は私にとって今までとは全く異なる業界でしたし、受け入れ先の方々も戸惑っていたのを感じました。ならば、小さいプロジェクトでも早く実績を出して、信頼を勝ち取っていこうと考え、出向して半年後に、LINEを使った保険金請求サービスのプロジェクトを立ち上げました。それまでの保険金の請求は、被保険者の方が書類を用意して郵送し、保険会社から確認の電話をかけて……と、双方にとって手間のかかる作業でした。それを、LINEのみで完結するようにしたのです。実際にお客様からは、「郵送も必要ないし、こんなに保険金請求が楽だと思いませんでした」という声をいただきましたし、今ではそのシステムで年間数十万件のやり取りが行われています。この実績が損保ジャパン社内での信頼獲得につながり、その後も「SOMPOAI修理見積」など在籍3年半弱で20近いプロジェクトを手がけました。保険業界に様々なイノベーションを起こせて、とてもやりがいを感じましたね。そして、特に起点となったLINEのサービス開発を担当していた会社が、デジタルホールディングスグループのオプトだったのです。

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