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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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編集長インタビュー

経営視点を持つマーケターになるために、キャリアを戦略的にマーケティングする実践手法 

差を生むのは才能ではなく、方法だ

安成:とても興味深いです。「35歳までにブラマネに」というのは、何か理由があるのですか?

あくまで自分の中で、ここを区切りに、キャリアの戦略を立てて実行しようと設定したものです。

 僕は「才能」という言葉が嫌いで(笑)、才能ではなく「方法」で差がつくと考えています。書籍『天才!成功する人々の法則』(マルコム・グラッドウェル著・講談社)の中で、大きな成功を収めるには1万時間が必要だという「1万時間の法則」が提唱されていますが、単に1万時間頑張ればいいわけではありません。皆、がむしゃらだから、差がつかない。

 3人のマーケターが10時間仕事をするのに、Aは戦略に8時間、コミュニケーションに2時間を使い、Bは組織で成果を上げるのに5時間、その他で5時間使ったとします。Cは漫然と10個のことに1時間ずつ使ったら、いちばん早く戦略に長けるのはAですよね。組織の観点ならBです。そして、Cはどのプロにもなかなかなれない。

安成:意識して、実行することが大事なんですね。筋トレみたいです。

そのとおりですね。降ってくる案件に応えるのも必要ですが、日本人は責任感が強いこともあり、期待に応えようと相手主導になりがちです。それでは自分を育てられない。僕にとって、マーケティングが経営に直結するP&Gという環境にいたことはラッキーでしたが、環境がキャリアの成功を決定づける要素ではありません。うまくいく人とそうでない人を見ると、やはりいかに明確にビジョンをもって実践したかが左右していると思います。自分のキャリアビジョンと設計図があり、実行できるかが最大の要因です。

意識的になるのに、遅すぎることはない

安成:では、なぜM-Forceの代表職につくことに決めたのか、うかがえますか?

理由は大きく3つほどあります。ひとつは、新しいチャレンジをしたいと思ったこと。これなら勝負できるという自分の核ができたら、会社に依存する必要がなくなりますよね。ブラマネになって以降、P&Gにいたのは、常にP&Gで得られるアサインメントのほうが外で得られそうな経験よりもおもしろそうだったからです。M-Forceに参画したタイミングは、事業を一からつくるところから勝負したいという気持ちが強くなっていました。それは改めて自分を育てることにつながると思い、決めました。

 2つ目は、他社の方々と話していて、もっとこうしたらいいのに、と思うことが多かったことです。P&Gでは「WHO・WHAT・HOW」というマーケティングの原則があり、必ずWHOとWHATの規定が先ですが、日本のマーケティングはとかくHOWばかり先行しています。「WHO・WHAT・HOW」のフレームワークで様々な企業を支援できたら、よりよいサービスが増えて、世の中がよくなるインパクトも大きくなると考えました。

 最後は、先ほど「才能」という言葉が嫌いと言いましたが、同じように「センスで差がつく」というのも嫌いで(笑)。ブランディングもマーケティングもブラックボックスのように語られがちですが、すべて科学的に組み立てられますし、再現性のあるものです。それをM-Forceで証明したいと思いました。

安成:先日MarkeZine Dayに登壇いただいた際も、再現性というキーワードが印象的でした。最後に、若手の読者へのメッセージをいただけますか?

:意識的になるのに、遅すぎることはないと思います。外に出るのもいいし、今の環境だって自分次第で必ず目標に向かって進んでいけます。僕もまさに今、代表という立場であっても、新しい挑戦を通して学びを得ています。キャリアのビジョンを描いて、経営視点を持つマーケターの方が増えていくといいですね。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

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2020/10/06 08:00 https://markezine.jp/article/detail/34425

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