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成功体験を覆す、ゲームチェンジを仕掛ける メガネブランド「Zoff」のリブランディング

 メガネブランドZoffが、創業20周年を迎える2021年へ向けてリブランディングに着手している。メガネ業界にイノベーションを起こしてきた同社の次なるブランド戦略は、Eye Performance。運営するインターメスティックの上野剛史氏と、ブランドエンジニアリングスタジオEVERY DAY IS THE DAYの佐藤夏生氏に、リブランディングの狙いを聞いた。

※本記事は、2020年10月25日刊行の定期誌『MarkeZine』58号に掲載したものです。

Zoffはエッセンシャルカンパニーへ

――はじめに、Zoffの新しいブランド戦略「Eye Performance」とリブランディングの背景を教えてください。

上野:Eye Performanceとは、メガネを視力矯正器具だけに留めず、人の可能性を拡張するツールとして、新しい価値を提供していく戦略です。たとえば、スニーカーがアスリートの身体感覚を広げたように、メガネを“マイナスをゼロにする存在”から、“マイナスをプラスに変える存在”へ進化させたいと考えています。2001年に下北沢からスタートしたZoffは、メガネに初めてSPAモデルを導入し、メガネの価値をアップデートし続けてきました。リーズナブルな価格で提供することで、メガネをファッションや気分に合わせてかけかえる、個性を表すアイテムへと変えましたし、ブルーライトカットレンズや花粉対策メガネなど、新しいメガネのあり方も打ち出してきました。

 その上で、創業20周年を迎えるタイミングにリブランディングを決断した理由は、私自身が一度経営から離れて外の世界を知り、小売りに変化が必要だと強く実感したためです。Zoffに関して言えば、店舗数を拡大するステージは終わりました。今までのように、おしゃれなメガネをたくさん並べて、「安くていいですよ」のコミュニケーションは、お客様に響きません。メガネの小売りではなく、社会的価値のある必要不可欠な企業、エッセンシャルカンパニーを目指すためにEye Performanceのブランド戦略を打ち出したのです。

佐藤:上野さんとは2013年頃からのお付き合いです。当時から「メガネをファッションアイテムとして売っているだけではダメだ。お客様にもっとできることがあるはず」と危機感を抱いていましたね。この課題を、ずっと二人で話し合ってきましたが、あるとき、常に視界が良好な状態であれば、人生はもっと豊かになると気づきました。本を読む、映画を見る、仕事をするなど、あらゆる場面でなんのストレスもなく見えることは、「見えづらさ」を解消するだけではなく、人や人生のエンパワーメントにつながる。人は、自分の能力を拡張することにワクワクや幸せを感じます。ここに糸口を見つけ、Eye Performanceという価値、考え方にたどり着きました。Zoffはメガネで視力を矯正するだけではなく、目のパフォーマンスに責任を持つ企業になる、という未来をセットしました

株式会社インターメスティック 代表取締役社長 上野剛史氏(右)株式会社EVERY DAY IS THE DAY クリエイティブディレクター/Co-CEO 佐藤夏生氏(左)
株式会社インターメスティック 代表取締役社長 上野剛史氏(右)
株式会社EVERY DAY IS THE DAY クリエイティブディレクター/Co-CEO 佐藤夏生氏(左)

お客様に必要とされている実感

――コロナ禍を受けてではなく、以前からリブランディングの構想を考えていたのですね。しかし、世の中の環境が大きく変わったことで、新しい戦略に迷いはありませんでしたか。

佐藤:確かに、このまま進むべきか、見直しをすべきかの議論はありましたが、緊急事態宣言を受け、しばらく休業していた店舗が再開すると、Zoffの路面店に多くのお客様がいらっしゃいました。私のチームの一人が偶然、自由が丘店の前を通りその行列を目撃しまして。で写真を送ってくれて。それを見て、メガネは人を助け、その機能を拡張するために絶対に必要な存在だと確信しましたね。Eye Performance戦略に自信が持てた出来事でした。

上野:必要不可欠な物しか買われない時代が予想以上に早く到来し、「私たちは選ばれるブランドだろうか?」そういった危機意識が、より強まりましたね。来店されるお客様は減っていません。今までやってきたことがあるからこそ、お客様が私たちを頼りにしてくださるのだと感じました。ここに、これからのビジネスで1番大事なことがあります。コロナ禍は想定外でしたが、「お客様の期待や要望にどれだけ応えていけるかこそが、Eye Performance戦略である」と確信が持てましたし、エッセンシャルカンパニーへの挑戦を後押しするきっかけになったと捉えています。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/25 09:37 https://markezine.jp/article/detail/34576

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