コントロール性、透明性を重視したユーザーターゲティング代替案を準備(Criteo)
3種類のターゲティング方法を推進
当社では以前より「プライバシー・バイ・デザイン」の考えのもと、製品開発段階から各ユーザーへ選択肢、透明性、コントロールを提供することを基本理念としております。同時に、各ユーザーの興味関心に寄り添い、新しい発見を促すパーソナライズされた広告技術は今後も欠かせないものと考えています。現在、業界全体に貢献できる新しい識別子の形を提案するとともに、広告主の皆様に安心してソリューションをご活用いただけるよう、ユーザーターゲティング、興味関心グループ、コンテクスチュアルの3種類のターゲティング方法において、技術開発や信頼できるパートナーとの協働を進めています。
新しい識別子のフレームワークや、Chrome変更への改善提案を発表
GDPRをはじめとする各国の法令を順守し、同意の取得、サービス提供のため必要最低限となるデータのみの収集、Eメールのハッシュ化、容易なオプトアウト手段の提供などデータに関する複数の厳格な要件を定めています。さらには将来へ向け「UserCentricAdID」というCookieや携帯端末識別子に代わる識別子システムの提案および構築を進めています。構想としては、ユーザーが自身の識別子をポータル上で管理し、常時自由にデータ提供に関する設定を更新でき、広告主はこの識別子を使用することでブラウザやOSの仕様に関わらず従来のターゲティングを継続することができるものです。
Chromeの変更に関してはGoogleが提案している「TURTLEDOVE」の改善案として、今年5月に「SPARROW(Secure Private Advertising Remotely Run On Webserver:Webサーバー上でリモート実行されるセキュアなプライベート広告)」を発表しました。SPARROWはTURTLEDOVEの基本方針に基づき、ユーザーのプライバシーを保護しながら広告主とパブリッシャー、そして彼らのパートナー企業がコントロールや透明性を確保する手段を加えています。具体的には、対象のユーザーが属する興味関心グループに基づいてオーディエンスの発見および拡張を可能にするとともに、ブラウザではなく独立したサードパーティ、「ゲートキーパー」が入札をリアルタイムに実行します。この提案に対する多くのポジティブな評価を受け、SPARROWを基にした「DOVEKEY」という新たな案がGoogleより発表されました。業界一丸となり活発な提案が続いていることを嬉しく思います。
大切なのは、ユーザーがどのデータを提供することでどのような価値が得られるかを明確に理解できる環境を整え、ユーザー自身の選択を尊重しながら、業界全体のバリューエクスチェンジのバランスを整えていくことです。今後も世界中の各プレイヤーと協議し、新しい仕組みの構築を牽引していきます。

Criteo Head of Strategic Partnerships
池田智幸氏