SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

ポストCookieの世界~アドテク最新事情をキャッチアップ

Cookieレスの広告配信を実現する人ベースの「IDソリューション」その世界観とは?

年内には配信準備が完了予定

高橋:実装によりファーストパーティデータの活用が進みますね。パブリッシャーやSSPの反応はいかがですか?

今井:年明けごろから温度感が上がってきています。特にパブリッシャーの関心が高い印象を受けていますね。

 最も影響を及ぼしているのは、今年1月に発表されたChromeのCookie制限ではないでしょうか。これまでもSafariにおけるITP制限などいくつか動きがありましたが、Chromeの使用シェアは日本でもとても高いので、業界への衝撃も大きかったように思います

 プログラマティックの取引においては、ノンリタゲとリタゲを比較すると、リタゲのほうが高いCPM(※)で取引がされているのは皆さんご存じの通りですが、現状はCookieベースでのターゲティングです。その手法ができなくなると、DSPもマーケターもターゲットとなるオーディエンスが見つけづらくなり、CPMを下げざるを得なくなります。このことへの危機感はパブリッシャーの方が大きいですね

(※)Cost Per Mille::広告インプレッション1,000回あたりの広告料金のこと。

高橋:現在、配信準備はどのくらい進んでいますか?

今井:グローバルのSSPにおいてはIndex Exchange、PubMatic、Magnite等と、日本のSSPではfluct、YieldOne、GMO SSP、Ad Generation等と連携を進めており、日本市場でも新しいエコシステムの構築が進んでいます。年内には配信に関する準備が整う見込みで、IDベースの買い付けもさらに進んでいくでしょう

高橋:GAFAに代表される大手プラットフォーマーとの連携は進むのでしょうか?

今井:そういったプラットフォーマーは独自のウォールドガーデンをお持ちのこともあり、他のIDとの連携実装が進むのは少し時間がかかるのでは?というのが正直なところです。

 市場に対してソリューションを提供している背景には、まさに大手プラットフォーマーのウォールドガーデン以外でも、デジタルマーケティングができる別の有効な選択肢を作りたいという思いがあります。実はユーザーのデジタルメディアへの1日あたりの接触時間を見てみると、GAFA以外のサービスに接触している時間が約半分を占めているにも関わらず、投下されている広告費は半分以下なのです。であればGAFA以外のサービスにも、この接触時間に比例したメリットがもたらされるべきではないかと考えています。人ベースIDでターゲット可能なパブリッシャーがいわゆる“連合軍”を作ることで、収益性を高めていただきたいと考えています。

 当社は大きなミッションとして「中立性」を掲げています。IDを紐づけるコネクティビティ(接続性)という観点から見たときに、どこか特定の企業やグループに属している場合、企業・グループに配慮したビジネス戦略を立てざるを得ない側面が出て来る可能性がありますが、それに対して私たちは独立した立場であることから、広告主、パブリッシャー、プラットフォームなど様々なステークホルダーとのパートナーシップを確立できます。

次のページ
残された時間で広告主が打つべき一手は?

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
ポストCookieの世界~アドテク最新事情をキャッチアップ連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

高橋 君成(タカハシ キミナリ)

Cosmose Inc, Head of Sales&Partnership, Japan 1988年生まれ。外国語大学卒業後、リクルート、Criteoなどを経て、RTB Houseの日本法人立ち上げを経験。2021年4月よりCosmose Incの日本ビジネスにおける責任者を務める。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2020/11/17 08:00 https://markezine.jp/article/detail/34635

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング