企業のDXを推進するTrailblazerが集結
セールスフォース・ドットコム(以下、セールスフォース)が、提供するMA「Pardot」のユーザーに向けて感謝を伝えるためのイベントとして開催している、年に一度のイベント「Pardot Trailblazer Party」。今年はCOVID-19の影響を受け、初のオンライン開催となった。
「Trailblazer(トレイルブレイザー:先駆者)」とは、創業以来セールスフォースが重視してきた考え方の一つで、企業のデジタルトランスフォーメーションを支え、ビジネスの変革に挑戦してきた人々のことを指す。
この考え方に基づき、同社の製品を活用するユーザー企業の集まるコミュニティを「Salesforce Trailblazer Community」と呼ぶ。先駆的な事例を広くユーザーに共有し、日々のSalesforce活用に活かしてもらおうという取り組みだ。数あるユーザーグループの中でも、Pardotに特化した「Pardot分科会」は参加者の熱量が大きいコミュニティである。
今回の「Pardot Trailblazer Party 2020」では、Pardotの最新アップデート情報が共有されるとともに、類まれな成果を上げたユーザー企業へのアワード授与が行われた。また特別ゲストとしてベストセラー『1分で話せ』(SBクリエイティブ)の著者・伊藤羊一氏を招いての講演も行われ、盛況をおさめた。
アトリビューション分析などAIを活用した新機能が登場
まず最新アップデート情報について、セールスフォース・ドットコム ソリューションエンジニアリング本部 Distinguished Solution Engineerの大川宗之氏より詳しい紹介があった。
注目すべきは、Salesforceの人工知能(AI)であるEinsteinが搭載された「Pardot Einstein」の進化だ。今回は新機能として、“データドリブン・モデル”でマルチタッチアトリビューション分析を進化させる「Einstein アトリビューション」が実装された。これは過去のキャンペーンデータをもとに、コンバージョンに対する各タッチポイントの貢献度合いを数理統計的に分析し、マーケティング施策の最適化を実現する機能だ。
またAIのEinsteinが分析するのは、過去だけではない。「B2B Marketing Analytics Plus」は未来予測も可能にする。「Einstein Discovery」が同梱され、Google Analyticsやデジタル広告など外部のデータソースにも対応できるようになり、エンタープライズ規模のABMを実現する。具体的には、過去の商談データを分析することで、売り上げ向上のために必要な施策と、その施策を行った場合に上がる売上金額のシミュレーションを行い、その時々に応じて実施すべき最適な施策を予測。“アクション提案”まで行うことが可能になった。
Pardotでは、昨今大きな話題となっている3rdパーティーCookie廃止への対応も万全だ。元々Pardotではマルチドメインを一つのデジタルIDでトラッキングすることが可能だった。しかし3rd Party Cookieが廃止された場合、個々のドメインが別のデジタルIDとしてカウントされてしまう。そこでPardotでは1st Partyトラッキング機能を拡張。これにより、異なるデジタルIDも、アカウント設定にチェックを入れるだけで、複数のドメインをトラッキングできるようになる。
それに加えて、セールスフォースは2ndパーティー、3rdパーティーデータを管理する顧客情報基盤(DMP)「Salesforce Audience Studio」を開発。このデータはPardotとも連携でき、様々なデータを一つのプラットフォームで利用することが可能になる。
また、Winter'21のアップデートでは、Salesforceのプラットフォームに統合された「Email in Lightning」というメール作成機能が発表された。必要なパーツのドラッグ&ドロップのみで、リッチなメールのテンプレートを作成できるようになる。もちろんスマートフォンなどデバイスを問わずに表示ができるレスポンシブデザインにも対応している。