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会員ロイヤル化は「己を知る」ことから始まる 心地よい体験を届けるためのデータ分析4ステップ

コストをかけずにID統合ができる「Blue Base」

――御社では、ID統合基盤「Blue Base(ブルーベース)」とスマートフォン向けエンゲージメントSDK「Dear One(ディアワン)」を新たに開発し、11月に提供を開始しました。これまでのソリューションと合わせてどういった流れで活用が可能になるのか、ご紹介いただけますか。

河野:まず、デジタルマーケティングの流れを大まかに整理すると、データを貯め、それをユーザーのIDベースで整え、分析し、施策に使うという大きな4ステップがあると捉えています。今回開発したBlue Baseはデータの整理、Dear Oneは施策に使う部分に当たります。

河野:これまで弊社では、データ分析が大きなハードルになると着目し、それを解決するためのユーザー行動分析ツール「Amplitude(アンプリチュード)」を国内代理店として提供してきました。データ分析には、これまでは専門職の方を雇ったり、外注したりする必要がありましたが、それらを機械学習によって解決しているツールです。

 しかし、Amplitudeを活用するには、分析のために取り込むデータが整っている必要があります。一方、コストをかけるのは非常に難しい。データの整理とコストが課題の企業が多いということがわかりました。

 そこで、低コストでデータ整理を実施できるID統合基盤としてBlue Baseを開発しました。Amplitudeと一緒に利用いただくサービスとして、ほぼ費用無しで提供しています。

 既に簡易データ基盤をお持ちの企業は多いですが、リアル店舗のカード会員とECサイトの会員が別IDになっているという問題が起こっています。実際は同じ人なのに、別の人として扱っているのでは正しいデータ分析ができません。Blue Baseを使っていただくと、リアル店舗のカード会員とECサイトの会員といった異なるIDの上位概念になるIDを払い出すことができるため、一個人のIDとしてオンラインデータとオフラインデータを融合することができます。

Blue Baseでは、店舗会員・EC会員・アプリ会員など分断されている様々な顧客IDを「PID」を活用してIDを統合。アプリを利用(オンライン行動)したあとに、店頭で商品を購入(オフライン行動)したデータを一連のセッションとして管理することが可能になる
Blue Baseでは、店舗会員・EC会員・アプリ会員など分断されている様々な顧客IDを「PID」を活用してIDを統合。
アプリを利用(オンライン行動)したあとに、店頭で商品を購入(オフライン行動)したデータを
一連のセッションとして管理することが可能になる

行動をトリガーにメッセージを発信できる「Dear One」

河野:一方、Dear Oneは、企業公式アプリでメッセージを送れるソリューションです。大きな特徴は、ユーザーの行動をトリガーにしてリアルタイムにメッセージを表示できること。これにより、ユーザー行動分析の結果をより素早く、施策に利用することが可能になりました。

Dear Oneでは、アプリ利用者のアプリ内行動に即して最適なタイミングで伝えたいメッセージをリアルタイムに表示できる(左)。また、アプリ利用者の利用状況、行動分析をもとにプッシュ配信できる(右)
Dear Oneでは、アプリ利用者のアプリ内行動に即して最適なタイミングで伝えたいメッセージを
リアルタイムに表示できる(左)。また、アプリ利用者の利用状況、行動分析を基にプッシュ配信できる(右)

河野:たとえば、某飲食店では、アプリのトップ画面のバナーを1ヵ月の間に4回以上タップすると、その人の来店率が上がるという分析結果があります。従来のシステムでは、バナーを4回タップした人を月間データで見つけられたとしても、その方に実際にアプローチするのは翌月になってしまいます。

 それがDear Oneでは、1ヵ月の間に4回以上タップするという行動をトリガーに設定することで、実際にその行動が起きたとき、リアルタイムに広告やメッセージを表示できるようになりました。

 いずれのソリューションでも弊社が一番提供したい価値は、リテンションが高まるということ。なぜかというと、既存ユーザーの方々にとって心地よいコミュニケーションを提供できるということが一番だからです。わかりやすくいうと、東京在住、東京勤務の方に、北海道の店舗オープンのお知らせはいらない。そういったお知らせを続けていると、既存ユーザーに「コミュニケーションが心地よくない会社だ」という認識を潜在的に植え付けてしまうことになりかねません。

 弊社では、店舗で食事をするといったサービスに限らず、アプリの使い心地やメッセージングといった体験も含めた一連の流れをプロダクトだと捉えています。体験を含めたプロダクトをより良くする手法を「グロースマーケティング(Growth Marketing)」と呼んでおり、それをこれらのツールで支援できればと考えています。

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社内の共感を得る「攻めのDX」を支援

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この記事の著者

水口 幹之(ミズグチ モトユキ)

ライター・インタビュアー。取材、インタビューを中心に記事を執筆している。
ビジネス、働き方改革、地域活性、教育、書籍紹介など幅広い領域に携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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2021/01/14 10:00 https://markezine.jp/article/detail/35076

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