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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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編集長インタビュー

“グロースCRM”のBrazeが日本上陸 カスタマーエンゲージメントの概念をどう広げるか

マーケティングにパラダイムシフトを起こす

――これは、Brazeだから実現できたと。

 そうですね、今その瞬間を捉えるというBrazeの特徴を存分に生かした企画でした。「マーケティングのパラダイムシフトが起きた」と強く感じましたね。

――パラダイムシフト、とは?

 マーケティングのひとつの定義は、プロダクトの認知を獲得し、態度変容を促して購買へと誘導することですが、これらはデジタル上では点では存在していても、なかなか線でつなげていなかったんです。なぜなら、線でつなぐためのデータ処理の速度や位置情報の取得や店頭での来店管理、その他様々なシステムを統合するのが至難の業だったからです。せいぜい、デジタル上や店頭の過去の購買データやユーザーの趣味趣向のデータを分析し、それに基づいてプッシュメールを送るくらい。この間が1週間、1ヵ月空いてしまったら、もう無効です。

――それがリアルタイムでできるから、線でつなげられる。

 はい。これまで多種多様な仕組みがソリューションとして登場しながら、結局はデジタルでエンゲージメントしたとしても、わずかなタイミングを捉えて顧客の態度変容を促すのは難しかったと思います。よく、だいぶ前に検索した商品に関連して、まったくピンとこない商品がレコメンドされることがありますよね。それはマーケティング効果がないどころか、ユーザーをいらいらさせ、ブランドとの関係性を切られてしまいます。

 そうすると、再度つながってエンゲージメントを築くハードルがとても高くなる。なので、リアルタイムでの“ライブペルソナ”のエンゲージメント構築は、今後ますます大事になってくると思います。

マーケターをデータとチャネルとペルソナ管理から解放する

――日本のマーケターの方々ももちろん、顧客の態度変容の重要さは認識されていますが、それを収益に結び付けて計測する手段はなかったと思います。

 そうご理解いただけるとうれしいです。同時に、Brazeがいちばん貢献できるのは、実はマーケターの働き方改革だと考えています。社内のデータ整備や統合などに時間を取られずに、データとチャネルとペルソナの管理はBrazeに任せて、顧客にどのようなメッセージや体験を届けるか、収益をどう生み出すかに集中していただけたらと思います。

――心強いですね。直近で、日本市場ではどういった領域から拡大していくのですか?

 業態でいうと、BtoCの事業にはおおむねフィットしますが、特にモバイルでエンゲージメントを構築するようなスタートアップのビジネス、またリアル店舗とデジタルの融合を進めるOMOのビジネスには親和性が高いですね。最終的には金融や通信、メディア業界などにも拡大していきたいと思っています。

――最後にうかがいたいのですが、事業全体の収益向上に向き合うBrazeは、やはりマーケティング部門が導入を率いるのですか? それともトップダウンで経営直下の部門など?

 いいご質問ですね。実は、一般的な日本企業には「グロースを念頭に置いてエンゲージメントを図る部門」がないのも正直なところです。なので、市場拡大とともに組織体制の提案もしていくつもりです。

 たとえばマーケ、営業、製品企画、データ分析、エンジニアまで一気通貫のチームを複数つくり、各施策のPDCAを細かく回せる体制があると、Brazeと非常にうまくかみ合います。チーム間で連携することで、事業全体のグロースを網羅的に把握し、伸ばしていけます。もちろん一朝一夕で構築できるものではないですが、米メルカリさんなど事例はあるので、成果を最大化する体制づくりも含めてサポートしていきたいです。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

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MarkeZine(マーケジン)
2020/12/18 09:00 https://markezine.jp/article/detail/35091

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