ビジネスに寄与するクリエイティブを
――3DCGなどのように、今後テクノロジー×クリエイティブの流れはより強くなると思いますが、その中で大事にすべきことはありますか。
芦田:とにかく新しいテクノロジーに触れて実験していくことですね。我々はカムロ坂スタジオ内に最新のフォトグラメトリー技術や3DCGを表現するための様々な設備を所有し、日々試行錯誤をしています。日々触らないと多くの試行・検証・飛躍は難しいと考えています。
また、技術者とクリエイターの両者がお互いのことを理解・共創することも重要だと思います。
桐島:とにかくユーザー目線であることが重要ですね。Y'sでのバーチャルショップ化も、同ブランドのファンに喜んでもらえる形に落とし込めたからこそ、上手くいったと考えています。そのため、3DCGの技術はファンベースがしっかりとしたブランドだと活用しやすいと考えます。
芦田:あとは、費用や工数がまだかかるものなので、きちんとしたコミュニケーション設計や工夫が求められると思います。先ほどのバーチャルショップの事例も、PR発表会などを合わせて行うことで、きちんと投資対効果の見合う形にすることができました。
3DCGの力でDXを推進
――最後に、今後の展望を教えてください。
芦田:単に3DCGを活用したクリエイティブを作るのではなく、ビジネスのDXに寄与できる取り組みを行っていきたいです。特にファッションやコスメ、リテール、家具、自動車、スポーツ、イベントなどの領域と3DCGの技術は相性がいいので、それらのビジネスを展開する企業様と一緒に新たな体験を生み出したいです。
また、デジタルヒューマンの取り組みに関しても、今後映像などで活用したいと考えています。これまでは理想的なモデルが見つからず諦めていた表現などが、デジタルヒューマンを活用すれば実現できるようになります。
桐島:フォトグラファーとして活動していると、理想的なシチュエーションに出会えないなど妥協しなければならないこともありましたが、3DCGを使うと限りなく理想的な状況を作り出すことができます。そのため、今後クリエイターは言い訳ができなくなっていくのだと思います。
ただ、まだコストや工数の問題があるので、実写での撮影よりも安くて、早くて、クオリティが高いものを作れる環境をいち早く作りたいです。我々の見通しでは、今ある課題は2〜3年以内には解決できると思っています。今一緒に働いているメンバ―は熱量も高いので、必ず実現できるはずです。