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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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定期誌『MarkeZine』特集

運用型のコンセプトでテレビCMの活用を後押し

成果連動型で初挑戦のハードルを下げる

 今後、「ノバセル」とADKのメディア運用の知見を組み合わせることで、テレビCMのプランニングから、制作、バイイング、検証までをワンストップで提供する体制を構築していきます。その第一弾として、初めてテレビCMを実施する広告主向けに、クリエイティブ制作費を含む費用を成果に応じてお支払いいただく「運用型成果連動CM」を提供しています。具体的には、ネット広告やテレビCMの小規模放映を経て成果目標を設定。ADKとラクスルがテレビCMとネット広告を組み合わせて運用を行い、目標に対する改善率に応じて報酬をいただくフローを想定しています(図表1)

(タップで画像拡大)図表1 「運用型成果連動CM」想定モデルケース
(タップで画像拡大)図表1 「運用型成果連動CM」想定モデルケース

 成果連動型はデジタルマーケティングではなじみのあるコンセプトですが、これをテレビCMにも取り入れることで、初めて挑戦する企業の不安を払しょくします。現在はインターネット取引を主とする広告主の方々とトライアルとして取り組んでいますが、将来的には、特に効果の可視化が難しい店舗ビジネスを有する広告主にも同様のサービスを提供していく予定です。

重要なのはデジタルで得た知見を活かすこと

 デジタルマーケティングを中心に施策を展開していた広告主がテレビCMを開始するケースは2021年以降も増えていくと予想しています。そこで初挑戦にあたってのポイントをいくつかお話しします。

 前提としてプロダクトやサービスがお客様に支持されている状態であること、テレビCMを開始する前に、デジタルマーケティングを一定程度回してみることが非常に重要です。そうすると、どのようなクリエイティブやキーワードがヒットするか、ある程度見えてきます。この解像度が低いまま一足飛びにテレビCMに挑戦するのは高リスクです。まずはデジタルマーケティングで数字を見ながら、どのような訴求が受け入れられるのか把握することからはじめましょう。また、せっかくデジタルマーケティングを続けてきたにもかかわらず、テレビCMを始めるときにせっかく得た知見が置き去りになってしまい、一から仮説を立てはじめてしまうケースもあります。別々の施策と考えるのではなく、デジタルの知見をテレビCMにシームレスに活かしていく視点がカギとなるでしょう。

 また、一般的に「デジタルマーケティングは『個』に迫るもの」「テレビは『マス』にアプローチするもの」と考えられていますが、テレビCMをデジタルマーケティングのようなコンセプトで運用していくには、これらの中間に位置する「セグメント」に注目することが大切です。つまり、マスの中にどのような人がいるのか、ブランドにとって重要な顧客グループはどこにいるのかを見つけることです。各グループはそれぞれ違った理由でブランドとの親和性が高いため、その要因を特定し、テレビを介してその方々に接触していくことで成果が上がります。性別、年齢、職業といったデモグラフィックに基づくターゲティングではなく、消費者行動、購買データ、生活者意識・価値観、といった要素も反映させた「アドバンストターゲティング」が有効でしょう。

 そして統合マーケティングに関しては、デジタルマーケティングの経験者がテレビCMに関する理解を深め、PDCAを回していくことがとても効果的です。組織に関しても、マス・デジタルが統合されていて、包括的にモニタリングしていく体制が整っている企業はスムーズに進むことが多いようです。

 これから二社で実現していくサービスは、データドリブンであることを大切にする一方、数字だけですべてを判断するというものではありません。これまでと同様、顧客の声を理解できているか、顧客のニーズを捉えているかを多面的に捉えながら、広告主の事業成長を支援していきます。

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この記事の著者

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/26 17:50 https://markezine.jp/article/detail/35317

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