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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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定期誌『MarkeZine』特集

BtoBマーケターとしてキャリアを切り開くために持つべき視点

意図的に自分の興味外で情報収集する

――マルケト在籍中に本格的にマーケティングに携わるようになったわけですが、そのときは本などを読んで情報収集していたのでしょうか。

 マーケターであれば読んでおくべき、フィリップ・コトラーやデービッド・アーカー、ドン・シュルツなどの教科書的な書籍はチェックしていましたし、日本のマーケターの方々が書かれた書籍も好きで読んでいました。また、マルケトがマーケティングオートメーションを提供する企業なので、お客様の事例を学べるユーザー会、社内のメンバーなどからマーケティングに関する知識を収集していました。

――ちなみに、日々の情報収集で他に意識していることがあれば教えてください。

 意図的に自分の苦手としているところや興味の薄いところから情報を集めることですね。いまさらと思われるかもしれませんが、新聞やビジネス関連の雑誌の中でも、直接的に自分の仕事と関係がなさそうな記事まで読むようにしています。今はパーソナライズドされた情報が届きやすいので、そうではないところから情報収集することを心がけています。

――小関さんはプロフェッショナル・エグゼクティブ・コーチというコーチングに関する資格もお持ちですが、なぜこの資格を取得しようと思ったのでしょうか。

 二つありまして、一つはジャパン・クラウド・コンサルティングで仕事をすると決めたためです。支援先の皆さんと同じ目線で仕事をする上で、何かを教えるコンサルタントではなく、適切な問いをたてることができるコーチでありたいと考えました。

 もう一つは、一生できる仕事がしたいと考えていて、まだ模索中ですがコーチングがその一つの選択肢になるのではと考えています。

マネジメントに目覚めたきっかけとは

――これまでの小関さんのキャリアを振り返ると、インサイドセールスチームの立ち上げやマーケティング部門のトップなど、マネジメント経験が豊富な印象を受けました。マネジメントに目覚めたきっかけがあったのでしょうか。

 きっかけになったのは、デルでの経験ですね。あるときキャパオーバーでマネージャーの自分がボトルネックになってしまったときがあったんです。そのときにメンバーのマネージャーに任せてみたらとてもうまくいったんです。そのときに自分で全てを抱えようとしなくていいんだと思い、マネジメントの意識が芽生えましたね。

 それまでは、余計な仕事を増やしたら申し訳ないなと思っていたんですけど、いざ任せてみたら、皆イキイキと仕事をしてくれたので、思い過ごしでした。

――マネジメントとして、メンバーに仕事をうまく任せる能力は非常に重要だと思いますが、小関さんは仕事を任せる際にどのようなことを意識しているのでしょうか。

 仕事を任せる際に意識していることは、二つあります。一つ目は、そのメンバーにとってギリギリの負荷をかけることです。負荷というのは、任せる業務の量と難易度です。「このくらいの量と難易度だったらどうかな?」「お、まだいけそうだ。これはどうかな?」という具合に考えます。任せる仕事の負荷が軽く単発だと、そこから得られる学びや経験は少ないでしょう。一方、一つひとつの仕事は仮に簡単であっても、ある程度の責任範囲を継続的に任せきってしまうなら、そこから学べることは大きいでしょう。任せる負荷に耐える能力を持っているメンバーには、結果として私の仕事の多くを委譲することになります。

 二つ目は、任せたとしても自らチェックは欠かさないということです。メンバーを信じることと、放置することは別です。「Trust is good,Check is better」という言葉もデル時代に学びました。そして営業部門以外を担当することになってから、そこに一つ基準が加わりました。それは任せる仕事がメンバーの知的好奇心を刺激するかです。シンプルに「おもしろそうか」という観点ですね。

深さと幅の両軸で伸ばす

――最後に、キャリアに悩まれているマーケターの方にアドバイスをお願いします。

 深さと幅をバランスよく伸ばしていくことが重要だと思います。焦って経験の幅だけ広げていっても、本当の意味で苦労していい汗をかいた経験でなければ、表面的になってしまいます。一方、深さだけを追い求めるときは、そこが掘るに値するかどうかはよく考えてみるといいでしょうね。いざ他にやりたいことが出てきたときに、動きにくくなるともったいないので。

 ですので、軸を決めながら自身の職域の中で役割を越えていけるとキャリアアップにもつながると思います。そのような方は職務経歴書を見ても「この領域に腰を落ち着けながら、新しいチャレンジをしている」と非常に評価されるはずです。すごいなと思うマーケターはなんでもやる精神が非常に高いですし、そのようなマインドセットが求められているのだと思います。

――ちなみに小関さんは自分のキャリアを振り返ったとき、どのように幅を広げながら深さを求めてきたのでしょうか。

 私は基本、言われたことを素直にやってきました。結果として、幅に関しては、各企業の中で求められている役割をひたすらに果たしていったことで、営業やインサイドセールス、マーケティングなど仕事の幅が広がったと思っています。深さに関しては、何を行う際もデータや仕組みを知ることを好きで行っていました。常に「なぜこうなるのか」を考え、仕組みや構造に落とし込んだりするのが好きなので、その中で深さが身に付いたのかもしれません。

――小関さんのキャリアはずっとマーケティング一筋というわけではありませんが、だからこそマーケターとして必要なお客様から逆算するマインドなどマーケターが忘れがちなことが理解できた取材になったと思います。小関さん、貴重なお話をありがとうございました。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/03/25 08:30 https://markezine.jp/article/detail/35760

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