「Flex」!いったいどういうもの??
河森
そう、あと、今『Flex』っていう新しいツールを使ってシステム作ってますよ。
編集部
なんなんですか?Flexって。
河森
xmlでFlashを作るんです、簡単に言っちゃえば。リッチインターネットアプリケーション( RIA )って呼ばれるカテゴリーがあって。RIA自体はインターネットに、より高機能なユーザーインターフェースを提供するアプリケーションのカテゴリーなんだけど。インターネットって莫大な普及の仕方をしたわけじゃない?買い物でも全部インターネット。そこでまぁ、頭のいい人たちなんだろうな、Flexっていう新しい技術を開発しちゃったんですね。Webでアクセスをするアプリケーションの中で、ドラッグ&ドロップや、ダイナミックな画面の変化ができたり、まるでOS 上の 一つのアプリのごとくWebサイトを動作させることができるんだな、このFlexを使ったFlashサイトって。マツダの
Web Tune Factory はこれを実現したいい例じゃないかな。
編集部
そういうかっこいい画面でやりたくなっちゃったわけだ。みんな。
河森
やっぱね、インターネットが普及してきて、今のおじさんはあんまりそういうフラッシュとか見てきてないけど、今のクライアントはそういう凝ったユーザビリティを上げたいとね。そのくせマウスは使いたくないとか、このやろう!って思いますけどね。この数年でお客さんのインターフェイスに関する意識って本当に高まってきましたね。前回のインタビューにもそういう趣旨のことが書いてあったけれど。ものすごくこだわるようになった。色んないいインターフェイス見るじゃない、自分でも作りたいと思うじゃない。で、プログラマー側は、3年前くらい前からこういう時期、つまりフラッシュが来るっていうのはわかっていたんですよね。
編集部
え、その背景は?
河森
それまでのインターネットってHTMLだから画面がショボいんですよ正直。技術的にできないこともあったせいもあるけれど。でも逆に、だから、「これをやりたい」っていわれたときに「できません」って言えちゃうようなこともあった。だけど、javaもそうだけど今度はFlexが出てきていよいよもってそうもいかなくなっちゃった。でもユーザビリティが上がるのはいいですね。
編集部
フラッシュにするメリットってなんなんですか?
河森
まぁ、単純にカッコいい?あとはとにかくいろんなことができる。ウインドウをいくつも広げて裏ではくるくるひっくり返したり、あとはカートにポイポイいれられちゃったりして。夢が広がりますよね。jspでこれやってくれっていわれたら「ちょっと一ヶ月くらい考えさせてください」って言っちゃうね(笑)。
編集部
出来上がればエンドユーザーは至極楽チン。
河森
うん。やっぱり新しい技術だからコストもね、かかるからね。
編集部
うわあ、はじめて見た。こんな拡張子。「mxml」て!なんだこれ。(画面見ながら)
河森
やっぱりお客さんの要求は変わってきてるよね。
編集部
その変化についてどう思います?
河森
本音言っちゃえば、めんどくさいよね。でもやりがいはある。新しい技術使って試行錯誤しながら出来上がったときはすごくうれしいじゃないですか?もともとWebが多いから、やっぱり画面って決まっててjspで作るしかなかったんだけど、今回はやっぱり画面が色々できるから、ホントに面白いですよ。そういうのもっと広がっていったらインターネットの裾野は今以上に広がるはずですね。まずは大手企業が始めて、基幹システムにまでFlashを持ってくる動きは出てくると思う。昔でいうなら、hostでやってた時代にjavaがきた、っていう流れと同じですよ。
編集部
そうくるとFlexは本当に新しい技術なんですね。
河森
そう。あとはオープンソースでLaszlo(ラズロー)っていうのもありますね。基本的には考え方は一緒なんだけど。まぁ、時代は来ますよ。数年はかかると思うけど。必ずね。
編集部
Flexってライセンスいくらくらいかかるんですか?
河森
けっこうしますね。ワンライセンスで50万くらいだったかな。もうちょっとするかも。
(参照価格)そういうところで、またオープンソースが頑張って、今いいよね。商売としては難しいけど。
編集部
うーん、Flex。ただ単にかっこよくて面白いからって取り入れようとしようとしているクライアントがいるわけでしょう。そういうのってどう思います?
河森
まぁ、新しいことなんて大概思いつきじゃないですか?(笑)いいんじゃないかな。でもそれで、自分らがやろうとしている期間とお金さえくれれば自分らはやりがいがあるよね。それを今までの納期とコストでやれっていわれたらそれは無理だ。その辺の合意をお客さんと取れていればいいんじゃないかな。Flashを使った業務システムを使っているところなんて今そうそうあるわけじゃないし、その辺での企業的なアピールも可能だよね。こっちも、それを作りましたっていうアピールができるし。お客さんにとっても価値のある一歩だよね。
編集部
でも、それって怖くないですか?ユーザーってありえないことをやるじゃないですか。
河森
だからそれはもうテストでつぶすしかないよね。
編集部
テストって何回やるんですか?
河森
まず自分のところ(単体テスト)、それから結合テスト、システムテスト、の三回が普通。でも今回はクライアント環境で更に一回やるね。
編集部
アーキテクトってお金良さそう(笑)
河森
んー、アーキテクトは、プロマネより安くて、SEより高い、くらい。サブプロマネと同じくらい。