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事例&データで深掘り!Instagramマーケティングの現在地(AD)

インスタ中心の施策で売上が前モデルの2倍に!パナソニック「オーブントースター ビストロ」の挑戦

コミュニケーション設計で大活躍した“JOBフロー”とは?

――マーケティングのフレームワーク(JOBフロー)とはどのようなものですか?

富岡:認知から興味喚起、商品理解、検討までのファネルの各段階で、トースターや我々の「オーブントースター ビストロ」がどう認識されているのか、逆にどう認識されたいのかを整理して、表に落とし込んだものです。

 オンライン上の広告は例えるならコロナ禍前の渋谷の交差点のようなもので、すれ違うときの一瞬の接触しかありません。その接点を活かすには、お客様を理解しその認識の中にどう寄り添っていくかが重要になります。この段階で全容を整理しておくことで、各ファネルのコミュニケーション設計をスムーズに進めることができました。

フレームワーク(JOBフロー)のイメージ図
フレームワーク(JOBフロー)のイメージ図

富岡:JOBフローの設計においては、まずお客さまの心理、認識してほしい内容などをすべて言語化しました。その後は認識フェーズごとに、認識変容を起こすためのコミュニケーション内容、活用するコンテンツ、広告メニュー、クリエイティブ、それに基づくKPIなど、細部までFacebookさんと共に組み立てていったのです。Instagramの中にいるお客さまが、今、この瞬間どのような認識でいるのか、改めて、丁寧にお客さま目線で考えながら設計をしていったのが、今回の取り組みです

過去データも分析しクリエイティブを磨きこむ

富岡:その後の工程では、JOBフローに沿ってクリエイティブを考えていきました。写真に添える文言についても、「シンプルな操作性」から「シンプルな操作性で、毎日使いやすい」と、認識してもらいたい要素が前面に出るよう変更したりと、一つずつの工程をJOBフローで定義した”お客様の認識”に立ち返って行っていましたね。他にはお客さまの認識に沿ってトンマナを変えるのはもちろんのこと、最適な見せ方の順番なども、Facebookさんの知見を借りながら調整しました

オーブントースター ビストロのクリエイティブ例(Instagramストーリーズ)
(クリックで再生・音が流れます)

曽我:表現に関しては、パナソニックとしての独自性を出すことを意識しながら、当社のFACT(搭載しているハード・ソフト技術)から実現可能なおいしさを、お客様に共感していただけるように表現するのに苦労しました。それと、先ほど申した通りPanasonic Cookingのアカウントは憧れを抱いてもらうような世界観で運用しているので、キャンペーンにおいてもそれが崩れないよう心掛けつつ、広告とオーガニックを組み合わせてどう相乗効果を出せるかを考えていました。

オーブントースター ビストロのクリエイティブ例(Instagramフィード)
(クリックで再生)

久木田:当社でパナソニックさんの過去のクリエイティブを分析し、どういう訴求がより有効だったのかの傾向を洗い出しました。それにより、商品で調理された料理のイメージビジュアルを先に出した上で、商品ビジュアルを出したほうが、 よりユーザーの反応が良かったといったことがわかってきました。

フルファネル配信がブランドリフトを大幅アップ

――キャンペーンの結果、どのような成果が得られたのか教えてください。

富岡:フルファネルでの配信が有用かどうか、そして各フェーズでの目的が果たせているかを検証するために、ユーザーを次の3つのグループに分けて、ブランドリフト調査を行いました。

(1)認知目的のみの広告を見た人
(2)認知目的に加えて商品理解を促す広告も見た人
(3)その2種類の広告に加えて商品検討を促す広告まですべて見た人(=フルファネルでアプローチした人)

 その結果、全体を通じてフルファネルでの配信が効果的にリフトを獲得していることが明らかになりました。特に広告認知とメッセージ想起では、フルファネルでアプローチした(3)のグループが最も高く、家電メーカーの平均値が6.4ポイント増のところ、16ポイント増と大きく上回る数値となりました。

曽我:今回、「オーブントースター ビストロ」のプロモーションはInstagramを中心に展開したのですが、商品の売れ行きは前モデルに比べて2倍のペースで伸びていまして、想定以上の反応が生まれています。

――大きな成果を挙げられたのですね。振り返って、今回の成功要因はどこにあったとお考えですか。

曽我:成功の要因は、商品企画・モノづくり・営業活動など、様々なファクターがあったと思います。今回のInstagramキャンペーンに関して言いますと、週1・2回のオンラインミーティングでクリエイティブ精査や運用検討を進めていきました。フレームワークを活かして都度方向性を確認しながら進めることができ、関係者全員が常に同じ方向を向きながら軸をぶらさずに進められたため、いつも以上に精度の高いキャンペーンとなって結果にも繋がったのではないでしょうか。

富岡:緻密なプランをつくるためにミーティングの頻度も増え、その分だけ大変ではありました。ですが、これまではメディアや広告メニュー、(広告上の)ターゲティングなどの選定に時間がかかっていた中で、今回はお客さまが実際に触れる文言や画像などの精査・検証などに、よりフォーカスすることができました。これはとても大きな差です。

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Facebook社が用意した「ブランディング必勝パターン」も活用

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/05/24 10:00 https://markezine.jp/article/detail/36070

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