配信には文脈解析の技術をフル活用
高橋:広告主側の使いやすさに配慮して開発されたのですね。一方、キーワードでマッチンングをさせようとすると、文脈がそぐわない配信面に広告が掲載されてしまった、という状況も危惧されます。たとえば、「旅行を控えよう」と呼びかける記事に、旅行会社の広告が出てしまったりするなど……。通常のコンテキストターゲティングにおいても起こる問題だと思いますが、インテントキーワードターゲティングではどのように対策されていますか?
和田:広告主様にはキーワードを指定していただくのですが、単純にキーワードのみでマッチングさせているかというと、そうではありません。配信先となるコンテンツについて、キーワードのある/なしだけではなく、コンテンツの意味を捉えて分析する「文脈解析技術」を用いて判断しています。
これにより、たとえば、「旅行」というキーワードを指定した場合、コンテンツ全体の文脈において「旅行」にふさわしいかが判断され、ネガティブな記事へは配信されにくくなります。
回遊率や新規ユーザーのセッション率に好影響が
高橋:既に導入されている企業もあるのでしょうか。
和田:はい。現在、「LOGLY lift」を既に導入いただいているお客様を中心に利用を推進している状況ですが、回遊率や新規ユーザーのセッション率が高く出る傾向にあり、「オーディエンスターゲティングではないのにこの数値はすごいね」と評価をいただいています。
今年3月、IASさんが「コンテキストに関連する広告が出されると、ユーザーにとっては受容性が大きくなる」というレポートを発表していましたが、当社の事例もそれを裏付けるものだと思います。
高橋:これからが楽しみですね。今後はどのようなお客様に使ってもらうことを想定していますか。
和田:段階を踏んで、より多くのお客様に使っていただけるようになればと思っています。まずはブランド系の広告主様に対して「Cookieを使わない手段でユーザーの態度変容を促す」という点で貢献していきたいと考えています。その次のフェーズとしては、パフォーマンス系の広告主様や代理店様に対し、コンバージョンに特化した配信にもお使いいただけるよう精度の向上をしてまいります。最終的な目標としては、まさに「リスティング広告の代替手段」としてご利用いただくことを目指しています。
