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丸亀製麺・株式会社TOKIO・代理店各社が取り組む、“共創型”パーパスドリブン実践

パーパスドリブンの裏にあるロジック

――本プロジェクトも、それ以前のコロナ禍への取り組みも、御社の一貫したマーケティングモデルに則って考えられているかと思います。改めて、マーケティングモデルの上でプロジェクトの位置づけをうかがえますか?

南雲:我々のマーケティングのメソッドでは、PRもデジタルもひっくるめて、認知の量と質から来店意向を導きます。認知の質から好意度は生まれるため、この好意度を今回は「2層構造」で向上できればと考えました。

 1層目は、店舗やテレビCM・PR・オウンドメディアなどで訴求する「本格的である」「品質の良さ」「サービスの良さ」などの好意度アップ。「ここのうどんは、生きている。」というブランドタグラインと、「ひと口目から、丸亀食感っ!」という新しいキャッチフレーズを中心に据えた、いわゆるブランディングです。

 そして2層目が、今回の「うどんで日本を元気にプロジェクト」です。「食いっプリ!グランプリ!」などの消費者参加型企画や、株式会社TOKIOさんとの共創型パートナーシップはこちらに含まれます。

南雲:5月27日には「食いっプリ!グランプリ!」をどのように作ってきたのかを描いたYouTubeドラマも配信を開始しました。丸亀製麺社内のドタバタ劇やあるあるをコンテンツ化しています。これもお客様に体験を提供するまでを描くことで、好意度を向上できればと考えました。

――緻密な計画がおありだったのですね。各施策のアイデアはどのように出されているのでしょうか。

南雲:社内のチームメンバーに加え、代理店の方々とも密に連携しています。このうどんで日本を元気にプロジェクトでは、過去の代理店とクライアントの関係性ではありえないカタチで、様々な強みをもった代理店の皆さまに参画してもらっています。これも今までになかった新しい“共創”ですね。これもアフターコロナに向けた新しいマーケティングの姿だと思っています。

 TVCMを制作いただいているブランドエージェンシーの他、デジタル/ソーシャルメディアエージェンシー、PRエージェンシーなど、7社を超える代理店の皆さま全員が毎週一緒にミーティングを実施しています。代理店の方からすると、今までになかったカタチだと思います(笑)。

消費者理解からブランドが貫く守るべき価値を見つける

――近年では御社と同じように、多くの企業が個々のブランドパーパスを掲げ、それを起点として自社ブランドの再定義/再構築をすることが増えたように思います。実践されてきた御社が感じる、ブランドの転換期に気をつけなければならないこと/意識してきたこととは何でしょうか。

南雲:やはりひとつは消費者理解ですね。コロナ前後で消費者の行動、ブランドを選択する際の順番や基準が変わったと思います。

 ですので、その消費者理解をまず行った上で「ブランドとして守らなければならないことは何か、やるべきことは何か」を短期と中長期の目線で行ったり来たりして考える必要があります

 我々の場合、「手づくり・できたて」のおいしさ、丸亀製麺だけの「生きているうどん」のおいしさという価値を守るべきと考え、テイクアウトに参入するときも、何をするときにも貫こうと改めて全員で認識しました。それがお客様の好意的な声を集め、ひいては今後ブランドをもっと強くするために必要だと感じています。

 何がキードライバーになるのかは当然ブランドによって異なりますし、探すことは当然大変な作業です。正直、やってみなければわからない。しかし、消費者理解を深め、仮説を立てながら、守るべきブランド価値を見つけて強化していくべきだと考えます。

 今回のプロジェクトの軸となる共創は、株式会社TOKIOとの会社と会社の共創であり、複数にまたがる広告代理店との共創であり、一緒に日本を応援して元気にしていくという意味では、消費者の方々にもどんどん参画してもらう共創でもあります。それぞれの目的を実現するために一緒にヒントを見つけ出せたら良いかと思います。

――ありがとうございます。最後に2021年は同プロジェクトの他、どのようなことにチャレンジしていきたいでしょうか? 今後の展望をお教えください。

南雲:今年は売上と利益のV字回復を目指し、テイクアウトのさらなる強化を図っていきます。

 前年はテイクアウト単体で売上100億円を達成しましたが、今年は倍以上が目標です。こうした強化によって、イートイン・テイクアウト双方を含めた、コロナ禍に対応するポートフォリオを構築していきます。

 新たに発売した「丸亀うどん弁当」も発売3カ月で700万食を超え、とても好調ですし、7月21日にはこどものための「丸亀こどもうどん弁当」を発売します。ファンの皆様には楽しみにしていただけたらと思います。

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/07/20 08:00 https://markezine.jp/article/detail/36518

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