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丸亀製麺・株式会社TOKIO・代理店各社が取り組む、“共創型”パーパスドリブン実践

 近年のマーケティングのキーワードとして語られることの多くなった「パーパスドリブン」。これを一足早く実践してきた「丸亀製麺」では、2021年2月にコロナ禍の新たなつながり方となる消費者参加型の施策を企画し、さらに2021年4月には株式会社TOKIOとの共創型パートナーシップを締結している。同社にブランド“らしさ”とニューノーマルを両立するマーケティングの秘訣を聞いた。

「ブランドができること」と「応援」の両立

――丸亀製麺では2021年1月「うどんで日本を元気にプロジェクト!」を立ち上げ、さらに4月には株式会社TOKIOとの共創型パートナーシップ締結を発表されました。まず、本プロジェクトまでの経緯を簡単に教えてください。

南雲:弊社では、昨年から続くコロナ禍の中で「外食ブランドとしてできることは何なのか」を模索し続けています。

トリドールホールディングス 国内事業本部マーケティング部部長/丸亀製麺 マーケティング部部長 南雲克明氏
丸亀製麺 執行役員CMO/トリドールホールディングス マーケティング部長 南雲克明氏

南雲:今までのように食を楽しむことが難しくなりましたが、こんな時だからこそ「頑張っている人を応援したい、うどんを通じて笑顔をもっともっと増やしたい」という思いから、昨年には「出張丸亀製麺」としてキッチンカーが全国を巡っていました。その中で、麺の匠や麺職人がうどんを振る舞ったり、お子様向けのうどん作り体験を催したり、医療従事者の方々にうどんを届けたりと、我々にできる様々な取り組みを行ってきました。

 小さな一歩でしたが多くの方に喜んでいただき、元気や笑顔を生むことができました。我々もその活動から元気をもらうことができましたし、コロナ禍がまだまだ続くこともあり、もっと本気で取り組むべきだと考え、2020年末から同プロジェクトを企画し、1月から本格的なスタートを切りました。

――具体的には、どのような取り組みを行っていますか?

南雲:本プロジェクトとして最初に取り組んだのは、元気を届ける「テレビCM」制作の為、CMに出演いただく方を決めるオーディション企画です。我々と一緒に日本を元気にしてくれる“食いっぷり”の良い方を探したいと思い、一般から募集するオーディション企画「食いっプリ!グランプリ!」を実施。賞品には「CM/ドラマ/イベント出演権」「丸亀製麺の1日店長になれる権」などを用意しました。

 Twitter、Instagram、TikTokにおいて1ヵ月ほど動画を募集したところ、ご応募は数千件、ハッシュタグをつけた投稿でいえば数万件という予想以上の結果に。グランプリに輝いた方に出演いただいたテレビCMは特設サイト上で現在公開しています。

特設ページ上の結果発表の様子(一部)。グランプリ受賞者や本人が出演するCM動画を紹介
特設ページ上の結果発表の様子(一部)。グランプリ受賞者や本人が出演するテレビCM動画を紹介

南雲:応募時にいただいた皆様の動画投稿は、選考中期間に本企画の特設ページにも表示しており、選考の過程自体も食の価値や皆様の笑顔を届ける仕組みになりましたね。

――UGCがWebサイトで見られたのは良いですね。

 UGCを促すのはサブの目的でしたが、店舗を利用いただくきっかけにもなったと思います。

アンバサダーではなく企画から一緒に考えていただけるパートナー

――今回「株式会社TOKIO」との共創型パートナーシップを締結されましたが、この“共創型”にはどのような意味が込められているのでしょうか?

南雲:きっかけは日本を元気にするために「一緒に活動していただける様々な仲間を集めたい」という思いからです。当初のディスカッションではうどんの大手メーカー、外食ブランドが協力するという禁断のコラボや、タレントの方とのコラボ、アンバサダーになってもらうというアイデアが出てきました。

 当時、タレントの方と一緒に取り組むこと自体は良いと思ったのですが、「今回は“アンバサダー”ではないな」と思ったんですね。というのも、本気で一緒に考えたり、モノを作ったり、活動したりする仲間であれば、「アンバサダー契約」ではなく名実ともに他のつながりのほうがふさわしいと考えたんです。そこで“共創型パートナーシップ”というワーディングにし、企画をいちから一緒に考えられる方を探すことにしました。

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/07/20 08:00 https://markezine.jp/article/detail/36518

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