フラットな立場で考えられるクリエイターが時代にマッチしてきた
世の中を見すぎて「結局、私達は何?」っていうのが自分たちでわからなくなるケースがあるわけです。
そこで、僕なんかがくわしく話を聞いて整理して「御社のいちばんの中心点ってこれですよね?」と提示してあげる。それをベースに商品を眺めてみたら、「これとこれは良いけど、これはダメだね」って会社の経営における判断基準にもなりますしね。
外部の人間で初対面だと、当然、最初はすごく警戒されるんですけど、ちょっとした悩みとかを聞いて感じたままを本音で返すと「あー、なるほど。たしかにそうだ」って言ってもらえて。その瞬間、心が開けたり、信頼されたり、ということはあります。
でも広告会社の人間として対峙してた時は「メディアが紐づいているのでは?」って思われて、相手の警戒が大きくなってたかもしれません。「結局、メディア費が目的なのでは?」って相手が思ってしまうのを、感じたこともありました。
凄く残念でしたね。「ほんとは違うのに」って思ってた。ただ、今の僕のような立場だと「あんたは別にメディアを売ろうとしてないよね? だったら言うんだけど、こういう悩みがあって」っていう風に、ストレートに話ができる。そういうのが結構ありますね。
世の中を「うおー!」と盛り上げる大広告キャンペーンと、企業内のモヤモヤを整理して自浄作用をうまく促すような施策は全く別軸ですよね。
「どちらに対してもフラットな立場で考えられるクリエイターが、時代にマッチしてきたのかもなぁ」と思ったりします。
後編では、本業である広告制作についての話を中心に展開します。ネット時代のマス広告のあり方とは? 動画共有サイトの違法コピーに対するクリエイターの本音は? 気になる後編はこちらからどうぞ!