HubSpotが実践した、レジリエントな組織を作る5つのステップ
当社では実際にGrowth Graderを使って自社の成長戦略を見直し、組織変革を行いました。ここからはその取り組みについてお話しします。
先述の通り、フライホイールの回転を速くするために推力を加える際には、回転を減速させる可能性がある摩擦に注意を払う必要があります。Growth Graderでスコアの高い企業は、顧客体験における摩擦を取り除いて、顧客との事業を行いやすくしています。
顧客体験における摩擦が生じる要因としては、「不十分な内部プロセス」や「チーム間のコミュニケーションや調整の不足」「業務のサイロ化」などが挙げられます。HubSpotで最も課題となったのが、この点でした。そこで当社では顧客体験における摩擦を取り除くために、まずは組織改革に最も投資すべきと判断しました。
具体的には、マーケティング、セールス、カスタマーサクセス、オペレーションから構成されるGTM(Go To Market)チーム全体で、単一システムへの移行を数年間にわたり実施中です。移行をスムーズに進めるため、長期的な計画や戦略に組み込めるフレームワーク「レジリエント・グロース・プレイブック」を開発しました。
レジリエント・グロース・プレイブックには、以下の5つのステップが存在します。
1、意思決定者を統一し、組織全体としての連携を促す
2、顧客体験の改善を抜本的に行うため、成長機会を明らかにする
3、3ヵ年の戦略と、1年分の運用計画を作成し、GTM戦略を調整する
4、データに迅速かつ簡単にアクセスできる、優れたシステムを構築する(ばらばらなシステムは、従業員や顧客にとっての摩擦になる)
5、重要だと考えている要素を測定し、あらゆるセグメントやあらゆる国でのトラッキングを可能とする仕組みを構築する
このように、私たちはフライホイールと成長戦略をより良いものへと高めていくため、新しい方法を常に開発しています。そして、自分たちの戦略を評価せずして、的確な提案を行うことはできないということも理解しているため、常に自分たちの評価も忘れません。
HubSpotがGrowth Graderから得た学び
ここからは、Attract、Engage、Delightというフライホイールの3つのフェーズごとに、どのような推力を加えられるのか(=どのように改善していけるのか)、またHubSpotがそれぞれにおいて何を実践してきたのかをご紹介します。
Attract(惹きつける)
フライホイールのAttractフェーズでは、何かしらの課題を持ち、解決策を探す訪問者に有益なコンテンツを提供して魅了し、障壁を取り除きます。ここでキーとなるのは、訪問者の注意を引くことであって、何かを強制することではありません。トラフィックやリードを生み出すプロだという自負がある方は、このフェーズで高得点を獲得できるはずです。
これからプロを目指そうという方のために、加えることができる推力をいくつか挙げてみましょう。
・SEO対策
・ソーシャルメディアマーケティング
・ソーシャルセリング(ソーシャルメディアを使った営業活動)
・有料のターゲティング広告
・コンバージョン率の最適化
HubSpotの事業の根幹は、コンテンツとインバウンドマーケティングにあります。Discoverability(見つけられやすさ)は優れているものの、リファラル(既存顧客からの紹介や推薦)はそれほど強くなく、評価が最も高いのはAttractフェーズでした。私たちは、すぐに売上につながるという確証がなくとも、まずは何らかの価値を提供したいと心掛けています。そのためブログ、ウェビナー、キャンペーン、ソーシャルメディア、HubSpotアカデミーのレッスンや認定コースなどの無料コンテンツに、多額の投資を実施してきました。
HubSpotのスコアを高めるのに役立つと推奨されたのは、リファラルマーケティングについてのプレイブックでした。そこで顧客マーケティングチームを作り、カスタマーアドボカシープログラムを立ち上げ、顧客ネットワークへの投資をより重点的に行うようにしました。
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