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特集:SNSプラットフォーム徹底解剖

話題沸騰で一時休売!アサヒビール「生ジョッキ缶」のSNS戦略

ローンチ期に盛り上がりをピークにする

――発売前の3ヵ月間を重要期間として、チーム一丸となりプロモーション施策を実施していったのですね。

喜多野:はい。これはTwitterさんがよく話されていることですが、ティザー期、ローンチ期、サステイン期とあるなかで、ローンチ期に盛り上がりのピークを持っていきたいと思っていました。そのためには、ティザー期で徐々に盛り上がりを強くしていく必要があるため、ティザー期が最も重要な期間だと考えていました。

――では、1月から実施した施策について教えてください。

喜多野:1月商品発表以降、各メディアの特性を鑑みながら、立体的に期待感を最大化する取り組みを展開致しました。まず1月初旬に、弊社社長が生ジョッキ缶発売発表と同時に、ホームページ上に生ジョッキ缶の情報を公開しました。広報の働きかけにより徐々にメディアでも取り上げていただけるようになり、さらにとある情報番組で取り上げていただいたことで、生ジョッキ缶を「なんか見たことある?」という空気を作っていくことができました(知るきっかけづくり)。そうした状況になった2月下旬に、「生ジョッキ缶事前モニターキャンペーン」を開始しました。応募はTwitterから行えるようにしたのですが、LINE上でも告知を行い、多くの方に生ジョッキ缶を認知していただけるようにしました(知る+試せるかも醸成)

 同時に、インフルエンサーの方たちに実際に飲んでいただいた様子をハッシュタグ「#体験!生ジョッキ缶」をつけて投稿してもらい、TwitterやYouTubeなどを使って広く展開していきました。もちろんインフルエンサー様のアカウントだけでなく、アサヒビールからのオーガニック投稿や広告(純広告、インフルエンサー投稿二次利用広告)でも同じように展開していくことで、より多くの人に“生ジョッキ缶の泡の出方”を見ていただく機会を増やしていったのです(やってみたい。体験したい。シェアしたい醸成)。そうして見ていただいた方の「生ジョッキ缶を試してみたい」という気持ちが高まった3月下旬のタイミングで、モニターキャンペーンに当たった1,000名の方に生ジョッキ缶をお届け致しました。

 あわせて、スーパードライで昨年より行っている「ASAHI SUPER DRY VIRTUAL BAR」というオンラインイベントで3月下旬に実施した花見イベントの参加者1,000名の方にも、事前モニターの方たちと同じように生ジョッキ缶2缶をお送りしました。そこで、Zoomでバーチャルバーに参加いただいた1,000名様と、Twitterライブを見ていただいた約40,000人の方々に、実際の一般のお客様がどのように生ジョッキ缶を楽しんでいるのか、Twitterを中心に知っていただく機会を醸成できたと考えております。また同じタイミングで事前モニターの1,000名様にも生ジョッキ缶を配布させていただいているので、計2,000名様+インフルエンサー様のご協力のもと、SNS上で徐々に拡散していきました。

 また、私たちのミッションのひとつは、Twitter上に生ジョッキ缶をあふれさせることだと思っていましたので、ご賛同いただいた約20の企業公式アカウントの方々にご協力いただきました(タニタ様:@TANITAofficial、湖池屋様:@koikeya_cp、日比谷花壇様:@hibiyakadan等)。これにより、アサヒビールのフォロワーの方以外にも、いつも見てくださっている商品+生ジョッキ缶を組み合わせて楽しんでいる様子を知っていただくことで、生ジョッキ缶に興味を持ってもらえないかと考えたのです。

“視覚”に訴えるため、初めてTikTokにもチャレンジ

――SNSはTwitter、LINEの活用がメインだったのでしょうか?

喜多野:Twitterは拡散性があり、LINEでは現在約1,000万人のお友だちがいるので、主に告知などはこの2つのメディアを中心に行っていましたね。LINEに関しては1to1コミュニケーションができるプラットフォームでもあるので、お客様にあったタイミングで、お客様にあった最適な情報をお伝えすることも行っていました。

 一方で、生ジョッキ缶は「缶蓋が全部開く」「ぷしゅっと缶が開き、きめ細やかな泡がぶくぶくと立ち上がる」など視覚・聴覚的に楽しい商品でもあります。そのため、視覚に訴えるということでInstagramも欠かせないプラットフォームでした。Instagramではインフルエンサー様にお配りするとともに、「ビールがとても好き」というユーザー様のご協力のもと、生ジョッキ缶の楽しさをInstagram上で伝えていただきました。

 また今回、初めてTikTokも活用致しました。これは生ジョッキ缶が若者ターゲットだったというのもあるのですが、視覚や聴覚にアプローチするためにもぴったりのメディアだと考えたためです。初めての取り組みでしたので、いろいろな調整をしながらですが、インフルエンサー様3名を起用させていただき、生ジョッキ缶を楽しんでいただく様子を展開していきました。

 こうして様々なプラットフォームで情報を拡散していき、同時にデジタル広告も大々的に展開し、コンビニ先行発売日の4月6日を迎えました。生ジョッキ缶について認知・興味をもっていただいた後は「いかに手に取っていただく機会を創出するか」です。

 そこで実施したのが、「コンビニ無料引換えクーポンが当たる」Twitterキャンペーンです。本企画は発売数日でコンビニ店頭から商品が無くなってしまったため予定よりだいぶ早い終了となってしまったのですが、その中でも多くの方に楽しんでいただく機会を提供できたのではないかと考えております。

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SNS活用の鍵はユーザーとの“共創”

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この記事の著者

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

MarkeZine副編集長。1993年生まれ、島根県出身。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/01 16:14 https://markezine.jp/article/detail/36608

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