1.エンターテインメント性の動画に注力
まず、2021年下半期でInstagramが最も強化してくる機能として予想されるのが、動画関連の機能だ。アダム氏は動画の中で、以下のように語っている。
「今みんながなぜInstagramを使っているのかヒアリングすると、エンターテインメントを求めているということが一番の理由だった。そこで社内でどうやって動画でエンターテインメント性を高められるか話し合ったんだ。でも、正直今市場は激戦中だ。TikTokはとても大きいし、YouTubeはさらに大きい。他のスタートアップもいっぱいいる。だからInstagramはもっと頑張らなきゃいけない=つまり変革を起こさなければならないんだ」(アダム氏)
このメッセージから、動画のエンターテインメント性に注力した開発ビジョンを明確にしていることがわかる。
動画時代が来る前に、企業側はリールズ対策を
さらに、動画の中では今後の検証事項まで言及されており、「フルスクリーンで没頭でき、エンターテイニングで、スマホに特化したデザイン」になるよう、今後様々な機能追加を試験的に実施するとのことだ。ここからうかがえる下半期のInstagramにおける動画戦略とは、スマホで閲覧しやすいUIを整え、より娯楽に特化したコンテンツを推進することだと考えられる。
Instagramの画面表示の割合を見ると、画面の65%がフィード投稿(画像の通常投稿)であり、ストーリーズは画面上部15%しか占めていない。それにもかかわらずInstagramのユーザーは、この15%しか表示されていない機能に多くの時間を使って過ごしているのだ。ここに、今後の可能性がある。
今までフィードからストーリーズへ促していた内容が、今後はフィードから動画へとサジェストしていく未来が今後起こりうるのかもしれないのだ。写真というフォーマットだけでなく、激化する動画プラットフォームの競争に、Instagramはいよいよ本格的に参入するようだ。
そして、今後の仕様変更によっては、リールズ活用が再熱する「リールズの第二次バズ期」が起きる可能性も考えられる。企業側も本格的に動画が強化される前に、リールズ投稿の質を高めておけば、競合との差別化を図ることができるだろう。