ユーグレナ唯一の課題である「味」を美味しくする
本木:ユーグレナは“藻”の仲間なので、海苔やワカメのような磯の香りがして、パウダー状にすると抹茶のような苦みもあります。栄養面ではパーフェクトに近い一方で、“おいしくする”ことが喫食機会拡大に向けて避けて通れない課題でした。
2019年からユーグレナの社内プロジェクトとして「おいしさ革命プロジェクト」というのを仕掛けており、その中で「からだにユーグレナ フルーツグリーンオレ」という、“おいしさ”でも評価される新製品が誕生しました。ただ、もっと様々な形でユーグレナをおいしくすることで、より多くの人にユーグレナを届けたいと考えていました。
そんなとき、当社の副社長である永田から「鳥羽シェフとユーグレナをおいしく食べることを提案していくプロジェクトをやるから」と声がかかったんです。

1979年生まれ。広告代理店でのメディアプランナー、コミュニケーションプランナー職を経て、事業会社のマーケティング職に転身。代表的な仕事は楽天在籍時代に手掛けた楽天カードマンの開発等。2019年9月にユーグレナに入社。モットーは『ビジネスが拡大するほど世界が良くなる仕事を』。
鳥羽:おいしいに舵を切るなら俺しかいない、と話を聞いたときに思いましたね(笑)。元々ユーグレナの副社長である永田とは友人で、ユーグレナという会社や、常に課題解決を目指し続ける姿勢に魅力を感じていました。売上が○億円に達したら「もうこれでいい」と思うのではなく、その出口に必ず次の課題解決を見据え、延々と終わりなき旅に出るという事業スタンスが、自分たちと近しいとも感じていたんです。
皆川:ユーグレナは、広告やPRで目立っていたので知っていましたが、素材の特徴については詳しく知りませんでした。でも、プロジェクトの初めに僕たち向けにマーケティング担当と研究者の方が開催してくださったユーグレナ勉強会の内容の深さや納得感に、そこまで積み上げてこられたことの凄みを感じて。ここはシズるがサポートしてもっと上を目指すタイミングだな、と感じました。
栄養素的にはパーフェクトだけれど、口に入れるものである限りやはり美味しくなくてはいけない。そこで食のプロであるシズるが登場する。この流れがすごくいいなと思いました。

1978年生まれ。埼玉県出身。営業職、マーケ職などを経て、現職。主な受賞歴はJAAAクリエイターオブザイヤー メダリストなど。鳥羽氏とはファッション(お互い好きなブランドは「nonnative」というドメスティックブランド)を通じて、趣味が共通することから意気投合したことをきっかけに友人同士になったそう。
研究室から厨房、そして食卓へ
皆川:ちなみに「あとはおいしくするだけプロジェクト」というプロジェクト名は、キックオフの時にユーグレナの出雲社長が発した『もっとおいしくなったら、食べない理由がないじゃないですか』というコメントから名付けたものです。鳥羽くんも『あとはおいしくするだけだ』と、同じことを言っていましたしね。
ユーグレナは栄養機能もすごく難しいし、偏差値が高い食べ物だなと思って。間口を広げる意味もあり、鳥羽くんの雰囲気もあり。この名称にしました。
鳥羽:壮ちゃん(皆川氏)が、このプロジェクトでは完成されたレシピを見せるだけではなく、ユーグレナのおいしさを探求して、より良いレシピが開発されていく過程を見せていくほうがいいんじゃないかと、このプロジェクト名を提案してくれました。ユーグレナという食材のポテンシャルも表現できるネーミングになりましたよね。『これが最高の味、最高のレシピです』ではなくて、「ユーグレナはもっとおいしくなっていくので見届けてください、応援してください」というメッセージでエンゲージメントを高めていくのは、時代にも合っていると思います。