カスタマーサクセスは3つのステップで体験を醸成
カスタマーサクセスでは「オンボーディング」「アダプション」「エクスパンション」というステップを円滑に進むよう支援することが重要なポイントだ。
オンボーディングは製品の初回体験。初期設定、操作方法、操作手順を伝えるフェーズである。アダプションは、利用定着のフェーズ。エクスパンションは他部署での利用や、オプション・他製品の利用を促す契約拡大のフェーズとなる。
この3つのフェーズのそれぞれでどのような体験設計が求められるのか、藤島氏はステップごとに解説した。
まずオンボーディングでは、MAを活用して初回顧客向けのメールを配信する。その中には「初めましての挨拶」「困った際に見るべきWebサイトのURL」などを載せておく。これによって初期設定や操作方法に迷うことがない状況を作るイメージだ。
次のアダプションでは、たとえば動画を使い他社の事例インタビューを流したり、定期的なメール配信によって活用促進の案内や最新トレンドを紹介したりする施策が考えられる。
最後のエクスパンションフェーズでは、たとえばメール配信の際に他商材との組み合わせ事例の紹介を組み込んだり、オプションを活用している顧客の声を動画で配信したりするなどがある。
カスタマーサクセスの業務は、ただ顧客に連絡や案内をするだけではない。オンボーディング・アダプション・エキスパンションの各ステップでコミュニケーションを取っていくと、ふとした問い合わせの中からVOC(お客様の声)を集めることができる。このフィードバックを継続的に開発部門に共有し、プロダクト改善につなげることが重要となる。
これを丁寧に行うことで、オンボーディングからアダプション、エクスパンションへの転換率が高くなっていくのだ。カスタマーサクセスにはプロダクトマネジメントの要素も含まれてくることを心得ておくと良いだろう。
LTVを高めるコミュニケーションを実現
藤島氏が代表を務めるopenpageでは、ここまでで紹介してきたカスタマーサクセスの業務、つまり既存顧客に対する体験設計やフィードバックができる機能を備えたプロダクトを開発し、国内有数の企業に提供している。製品のコンセプトは「GIVE &TAKE」。その意図について藤島氏はこう述べた。
「カスタマーサクセスにおいては、お客様の情報を集めることに目がいくのですが、その前に情報のギブが非常に重要です。お客様に製品の操作方法を教える、事例を紹介する、データを提供するなど、あらゆる情報をコンテンツとして伝えていき、顧客の成功を支えます。そして、それを提供する見返りとして、製品に対する理解度や継続意向、改善要望などをデータとして収集する。これがテイクの部分です。カスタマーサクセスの体験設計と顧客情報収集を叶える機能開発を進めています」(藤島氏)
具体的には、会員制CMS・サイト構築システムになっているという。カスタマーサクセスではCMSと製品との「会員データ連携」が重要だ。実際にどのページ、どの動画を見ているのか、ユーザー情報とコンテンツ視聴データなどを紐づけて見ることができる。
こうした体験設計の結果レポートをデータと照らし合わせながらPDCAを回していくことで、法人顧客のLTVを高めるコミュニケーション設計が図れるという。
MAツールやSFAとの連携も進めており、SaaS企業以外の製造業や小売業などにも導入が増えてきている。藤島氏は「トライアルをしていただければ、カスタマーサクセスを次のステップに進めるための体制整備にくわえ、米国の先進企業がどのような取り組みをしているのかも感じていただけると思います。ぜひお試しいただきたい」と結んだ。
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