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消費者調査からひもとく生活の変化

『コロナ後もマスクを着用したい』人は7割以上、マスクの常用化が変えたものとは?

生活現場で起きている「変化」に注目し、15年間で約1万人の消費者心理を分析してきた犬飼江梨子氏が消費者調査で得たデータを元に解説する本連載。最終回は、コロナ禍で常用化した「マスク」が与えた、意識の変化を考えます。

マスクを日常的に着用にすることで生まれた変化

 2020年から2021年は男女ともに美容や化粧品関連の調査を多数実施させていただきました。コロナ禍で多く聞かれたのが「マスクを着用するようになって生じた変化」についてです。

 マスクの着用が日常化することによって、顔の肌や外見に影響があったことはもちろん、身だしなみ、習慣、人とのコミュニケーションなど、多方面に様々な変化が生まれた話はインタビューをしていてもたくさん挙がっていました。

 今回は、その中で人々にどのような意識が生まれたのか、今後の行動にどういった影響を及ぼしていくのか、企業として今後何を提供していくべきかについて、特に変化に敏感な若者層に焦点を当てながら、データと共に考えていきたいと思います。

 本稿を執筆するにあたり、全国1,038名を対象に「マスクの着用」に関する調査を行いました。概要は以下の通りです。

【マスクの着用に関する実態把握調査】
調査方法:WEBアンケート調査
調査期間:2021年9月30日~10月1日
対象者条件:全国15‐49歳の男女
効回答数:1,038サンプル
調査主体:株式会社イー・クオーレ

スキンケアに注力、メイクは控えめに

 以下は、コロナウイルスの流行以降、マスクの着用が多くなったことによって起こった変化を性世代別にグラフで表したものです。

新型コロナウイルス流行以降、マスクを着用することで起きた変化
新型コロナウイルス流行以降、マスクを着用することで起きた変化

 ※ジェネレーションZ:1997~2012年生まれ(15‐24歳)ジェネレーションY:1981~1996年生まれ(25‐40歳)ジェネレーションX:1972~1980年生まれ(41‐49歳)

 表を見ると、女性で特に多いのが、「肌荒れ・ニキビや吹き出物が出やすくなった」で、Z世代では52.2%、Y世代では36.3%、X世代では28.2%の人が感じています。また、「スキンケアに力を入れるようになった」についても、Z世代で37%、Y世代で27%、X世代で17.4%となっており、マスクを着用することで擦れる・蒸れるため、肌の状態が悪くなり、スキンケアが重視されるようになったことがわかります。

 女性は他に、化粧でも変化があったことが読み取れます。マスクをすると、顔の下半分が隠れてしまうため、今までと同じメイクが必要ではなくなりました。

 「マスクに隠れる部分はメイクをしなくなった」はZ世代で29.9%、Y世代で31.1%、X世代で33.6%もの人があげています。同様に、「化粧をしなくなった/最低限の化粧しかしなくなった」は、Z世代で22.3%、Y世代で34.6%、X世代で44.3%となりました。

 「アイメイクに力を入れるようになった」についても、Z世代では31%の人があげています。女性たちのメイクには大きな変化があったといえます。

 また、髪の毛にも変化が訪れています。「美容院に行く頻度が減った」は、女性のZ世代では3.8%ですが、Y世代では11.4%、X世代では18.8%と世代が上がることに美容院に行く頻度が減った人が増える傾向が出ていることがわかりました。

 男性では、「ヒゲ(顔のムダ毛)を処理・剃らなくなった」が高く、Z世代で21.6%、Y世代で20.4%、X世代で22%でした。マスクに隠れるため、ヒゲを気にしなくなった様子が読み取れます。

 他に、Z世代だけの傾向として、肌について男性も女性と同じ変化が見られました。「肌荒れ・ニキビや吹き出物が出やすくなった」が29.6%、「スキンケアに力を入れるようになった」が25.6%で、こちらはX世代女性よりも高い割合となっております。Z世代男性は美容意識が高いことがうかがえます。

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この記事の著者

犬飼江梨子(イヌカイ エリコ)

消費者心理分析専門家 マーケティングリサーチ会社 (株)イー・クオーレ代表取締役 15年間で約1万人の消費者心理を分析。「顧客が真に求めるニーズを見つけ出し、それを解決する方法を考える」ための調査に定評がある。消費者の変化に注目し、新商品開発のための調査や商品リニューアルのための調査を多数実施し、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/08 08:00 https://markezine.jp/article/detail/37592

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