コロナで大きく変化した「家族・友人」とのコミュニケーション
コロナ禍によって、人々のコミュニケーションも大きく変わった。「家族が家に押し込められることによるストレスの増加」「友人等との接点の希薄化」が顕著だ。
家族が家に押し込められることによるストレスの増加
外出の時間が減ったことで、家の中で家族が一緒になる時間が増えた。夫のリモートワークや子ども短縮授業がよりそれを助長していた。それによって、家族に気を使って疲労しているという主婦や高齢者の声が多く聞かれた。「旦那にリビングにいられると迷惑」「旦那と二人でいる時間が増えて気を使う」といった声や、「家事をやってくれない不満が募る」といった声が挙がっていた。

友人等との接点の希薄化
上記のストレスは家族以外の友人などと気軽に会えないことにも原因がある。友人と会う機会こそが日々のストレスの解消につながっていたが、機会が減って発散できなくなっていことが影響しているようだった。
コロナ前と同じ頻度で友人と会っていると答えた方は一切おらず、数ヵ月に1回、なかにはコロナ禍になってから一切友人とは会えていないといった方もいた。コミュニケーションはLINEなどのチャットツールに移行しているが、お互いの安否確認程度に留まっており、一時期流行った「Zoom飲み」も一過性で継続して行っている方はいなかった。
対面でリアルに会うことの価値が人々の価値観の中ではとても高いものだということがヒアリングの中でとても印象的だった。
おうち時間を活用した仕事ニーズが増加
おうち時間を有効に活用する動きも進んでいた。家事のスキマ時間に手芸品を作ってネット販売をする副業や、主婦や高齢者の方の中には仕事探しを始めている方もいた。おうち時間を活用した副業ニーズは今後高まっていき、主婦や高齢者を新たな労働力として活用していく動きが加速しそうだ。こうした新たな労働力が社会に復帰することをサポートするようなビジネスが今後増えていく可能性があるだろう。
母親の一番の不安は子どものメンタルバランスと教育
子どもをお持ちの主婦の方々が最も多く不安を口にしていたのが、子どもへのコロナ禍の影響だ。
「学校で書いた作文に暇すぎると書いてあった」
「生きていておもしろくないと言っている」
実際に母親はこのような子どものストレスの兆候を目にしており、不安を募らせている。部活動や地域活動が中止となり、子ども同士での外遊びも現状制限され、子どもは家に押し込められてしまっている。もっぱら子どもたちは人気のFPSを始めとしたオンラインゲームやテレビを見て過ごしており、発育の重要な家庭で外からの刺激が少ない現状に母親は不安を抱える。
また教育面においても、緊急事態宣言時の休校などにより本来の学習範囲に穴が開いてしまっており、学習の遅れに不安を抱いている親が非常に多かった。加えて、学校での学習の遅れを取り戻すための塾への期待が高まっていることが感じられた。