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ネスレ日本に学ぶ“受容性”を重視した広告戦略 実践したTeadsのクリエイティブワークショップとは?

ディスプレイ広告の視認性は233%増、高い態度変容も

MZ:今回のクリエイティブ、そして配信の成果について教えてください。

山田:プロモーションは2021年9月3日から23日まで実施しました。今回のプロモーションの狙いは、意図するユーザーのモーメントを捉えるためにコンテクスチュアル・ターゲティングを実施しつつ、広告を見ていただいたのちに下のファネルへ誘導するためLPに送客して、そのLPの内容をしっかり理解いただき、態度変容を醸成していくことです。そこで、(1)広告のビューアビリティ(2)LPへの送客(3)態度変容の3つで成果を確認しました。

 (1)でいうと、ディスプレイ広告では、過去実施した別メディアと比較して233%という高いビューアビリティを達成できました。動画広告は、これまでTeads様が制作したクリエイティブをベンチマークとし、今回のL’Atelierのクリエイティブと比較したところ、後者のほうが144%も高い結果が出ました。結論として、Teadsは記事中の広告ビューアビリティが高く、今回のL’Atelierで実施したように、よりリッチな表現で作り込むことで、さらに高いビューアビリティが得られることがわかりました。

電通デジタルメディア&コミュニケーション領域 アカウントプランニング部門 グローバルアカウント第1事業部 山田経太氏
電通デジタル メディア&コミュニケーション領域 アカウントプランニング部門 グローバルアカウント第1事業部 山田経太氏

山田:(2)のLPへの送客も当初予定していた送客効果より121%高い結果になりました。興味深い点は、ディスプレイの瞬間のモーメントが効いて高いCTRをもたらしたことです。猫が少し動くアクションがユーザーの気を惹き、興味を持ってもらって、広告経由で「ピュリナ ワン」のLPからそのブランドメッセージを読んでもらうことになり、これもL’Atelierのクリエイティブが効いていることがわかります。

 最後の(3)ですが、態度変容調査を行ったところ、今回L’Atelierで制作したクリエイティブにおいて、ディスプレイ広告のほうが動画より高いリフトアップが得られたことがわかりました。効果的なクリエイティブを通じ、LP経由でブランドを理解してもらう点では、ディスプレイのほうが効率的だったという結果でした。

川口:ありがとうございます。1点補足すると、購買意向リフトアップという意味では、ディスプレイよりも動画広告のほうが高かったんです。とはいえ、ファネルごとのマーケティングで考えると、ブランド理解を効果的に上げるインタラクティブなディスプレイや、購買意欲を上げる動画アプローチなど、様々な選択肢と組み合わせがあります。ターゲティングや広告接触する際のモーメント、視認性の高いリーチ効率といった観点もあり、それら踏まえた上で成功法則を見定め、売上に繋げるためのメディア戦略を練る必要があると思います。

「どのモーメントで」「どんな人に」を考えた戦略が大事

MZ:小堺様は、今回のプロモーションの成果を受けて、どのような気付きがありましたか?

小堺:まずL’Atelierのクリエイティブの工夫、そしてCookielessのコンテクスチュアル・ターゲティングの2つがうまく組み合わさって、最大限の効果を得られたと感じています。

 クリエイティブに関する気付きでいうと、私たちはプランニング時に、動画/静止画という括りで考えることが多いのですが、これはあまり意味がないのではないかと思いました。実際、消費者からすると、見ている広告が動画なのかディスプレイなのかは関係がないわけです。それより「どういうクリエイティブであれば反応してくれるのか」「メッセージが伝わるのか」という観点でクリエイティブ開発を進めることが大切だと感じました。L’Atelierでクリエイティブについてしっかりサポートいただいた点に感謝しています。

 もう1つのターゲティングですが、やはりコンテクスチュアル・ターゲティングがうまくワークしたことは大きな発見でした。このターゲティング手法はCookieの代替手段ではなく、本来メディアプランにおいて当然考えるべき部分だということを再認識しました。テレビや雑誌などトラディショナルメディアの広告戦略では、見てもらいたい人たちに届けるために、広告をどの面に出すか考え抜いて出稿することが当たり前です。一方でデジタル広告は、個人にターゲティングすることができてしまうが故に、広告の配信面を軽視する傾向があるのではないでしょうか。

 今回のコンテクスチュアル・ターゲティングの結果からも、受容性を重視した広告戦略展開の有用性も証明できました。今後、「ピュリナ ワン」ではもちろんですが、当社の他ブランドでも横展開していきたいと思います。

川口:Cookielessということであれば、Teadsには他にも様々な選択肢があるので、ネスレ様にはその効果をさらに実感していただきたいと考えています。

 特に、CookieベースのターゲティングをCookielessのオーディエンスデータに即時変換できるソリューション「Cookieless Translator」というものが弊社の最新機能にございます。これにより、Cookieを使わない、消費者のモーメントを捉えたアプローチをクリエイティブと掛け合わせてご提供が可能です。

 今回海外のクリエイティブチームも含め、L’Atelierを実施しましたが、事前に頂いたブランド・ブリーフィングや、キャンペーン戦略の骨子の段階から携わらせて頂けたことで、ご提案できる幅が広がったと実感しています。

 今後もブランドの、適切なメッセージングのご支援ができればと思います。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/24 18:30 https://markezine.jp/article/detail/37635

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