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グロービスのコンテンツマーケティングに学ぶ!SEO未経験者が新メディアを月間50万PVに伸ばした理由

記事の集客力を上げてオウンドメディアの挫折ポイントを回避

新宅:オウンドメディアを日々運用していると、自社コンテンツ資産が成長していく実感がある一方で、「これは途中で挫折してしまう人が多そうだな……」と感じるポイントがありました。

 それが「運用体制が整わない」「集客が伸びない」「コンバージョンにつながらない」の3つです。

前田:この3つは、よくつまづくポイントですね! どう乗り切ったのでしょうか?

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新宅:まず、運用していくにあたってゴールの設定が必要になりますよね。新しいメディアということもあり、具体的な数値目標を立てるのが難しかったため、ひとまず「施策のトライアル回数」をKPIにしました。たとえば、インタビュー企画、時勢を組んだ特集の作成、広告配信、ヒートマップを活用した導線改善など。SEOへの取り組みも、このトライアル施策の1つにカウントされますね。

 もう1つ、日々の業務に追われてなんとなく時間が過ぎていかないように、1年間の行動計画を立てました。具体的には、「1Qは基盤作り」「2QはSEO本格始動」「3Qは検索順位の向上を目指したPDCAの実施」といった形です。

 この2つの工夫によって、数字に追われ過ぎることなく、「ユーザーに役立つ」を第1に掲げたコンテンツ作りに集中することができました。

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1年間の行動計画(クリック/タップで拡大)

新宅:次に、社内の運用体制を整備しました。

 基本の固定メンバーは私と上長。記事ライティングは、グロービスの教員や日々学生たちのキャリア相談に向き合っている事務局スタッフを中心にお願いしています。しかし関わっている皆さんは他に本業があるので、この仕組みだけでは記事を量産することができません。そこで、2つの工夫を施しました。

 1つは、私が作成した構成案を基にグロービスのVoicyチャンネル(音声メディア)でパーソナリティに話してもらい、それを文字に起こして記事化する方法。「専門知識はあるけどライティングは苦手……」という人がいらっしゃった場合、そうした人に話してもらった内容を録音して文字起こしする、というのは記事数を確保していくうえで有効な手段になり得ると思います。

 2つ目は、グロービスのビジョンや授業内容をよく理解している在校生や卒業生にお声がけし、ライティングをサポートしてもらうこと。こちらも、おかげさまで順調に進んでいます。

前田:音声メディアの活用はナイスアイデアですよね。そして、集客を軌道に乗せた最大のポイントは何でしょうか?

新宅:SEOを考えたコンテンツ作りですね。一つひとつの記事の検索順位を上げることで、記事の集客力を最大化しようと考えました。そうすれば、少ない人的リソースでも、高い生産性で運営していけるからです。

「検索ニーズ」を制すれば記事の集客力は上がる

前田:具体的にどのような形でSEO施策を実行し、記事の集客力を高めていったのでしょうか。

新宅:集客力を上げるには、「月間検索数が多いテーマ×検索上位に表示=最大集客」という掛け算で考えることが基本になります。記事の執筆前にメディアとの親和性を意識しながら月間検索数が多いテーマを選び、執筆段階で検索上位に表示されるように工夫しながら制作しています。

前田:月間検索数が多いテーマを選ぶときの流れについて、詳しく教えてください。

新宅:まずターゲットとするペルソナを設定し、その態度変容の流れをまとめました。

 そして、それぞれのフェーズで検索しそうなキーワードをペルソナに合致する知人にヒアリングし、ビジネス系のニュース記事や書籍をチェックして今世の中で関心が強いテーマを探って、リスト化していきます。そのリストが完成次第、ミエルカで月間検索数を調べ、ボリュームの多いキーワードに絞り込みます。

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新宅:次に、検索上位に表示される工夫についてお話します。上位に表示されるということは、「ユーザーの検索ニーズに応える記事」であることが必要です。ただ、これが結構やっかいな点で、何も手がかりがない状態では、検索ニーズを主観で判断しなくてはなりません。自分の主観は世の中の検索ニーズとズレるリスクがあり、せっかく記事を作っても上位に表示されないといった非効率な結果に陥る可能性があります。

前田:私も検索ニーズの調査を長年行ってきましたが、かなり大変で1日がかりになってしまうし、その割には精度に不安があるんですよね。だからこそITも活用して進めることが必要です。ミエルカの場合、1つのキーワードに対してどんなニーズがあるのか、AIが膨大なデータから調査した結果を図で確認できます。それぞれのニーズの多さや、ニーズの分岐点もイメージできる点が、新宅さんのお役に立てたところだと思います。

株式会社Faber Company IMC部マーケティングチーム 前田 絵理氏

新宅:たとえば「論理的思考」などのビックキーワードは月間検索数が非常に多いので、Googleで上位表示されることはとても難しいのですが、検索ニーズをしっかり押さえたおかげで1位が取れました。その記事は、今や「グロービスキャリアノート」の稼ぎ頭です。

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前田:ビックキーワードで1位を取ると、関連ワードからも集客できるようになりますよね。1位になった記事「論理的思考力(ロジカルシンキング)を鍛える3つの方法」だけでも、毎月3万近く集客できていらっしゃいます。

 集客を軌道に乗せた秘訣をまとめると、次の3つでしょうか。

・オウンドメディア立ち上げ時はコンバージョンを追わず、施策を重ねてコンテンツを育てること
・負荷軽減をしながら、社内リソースを活用すること
・1コンテンツの集客力を最大化し、成果を加速すること

 初期は集客力の最大化に振り切ったことが、新宅さんの成功要因だと思います。

次のページ
コンバージョンにつながるサービスサイトへの送客を高める施策

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/12/07 12:00 https://markezine.jp/article/detail/37646

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