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グロービスのコンテンツマーケティングに学ぶ!SEO未経験者が新メディアを月間50万PVに伸ばした理由

 Webコンテンツを通じて顧客層の拡大に取り組む企業が増えている。しかし「PV数が伸びない」「コンバージョン率が上がらない」と悩む企業も少なくない。2020年4月にオウンドメディアを立ち上げたグロービス経営大学院も当初は同じ課題を抱えていたが、SEO開始から1年でPV数を18倍、サービスサイトへの送客数を50倍に伸ばしたという。MarkeZine Day 2021 Autumnでグロービス経営大学院の新宅千尋(しんたく・ちひろ)氏がその具体的な施策について、支援したFaber Companyの前田絵理氏と語り合った。

潜在層に届けるため、オウンドメディアを開始

前田:潜在層へアプローチするために、コンテンツマーケティングに取り組む企業は増えています。成果が出るまで6ヵ月から1年程度かかるため、根付かせるのが難しいという面もある中、グロービス経営大学院の新宅さんは高い成果を出しています。

 本セッションでは、具体的な戦略・施策について、新宅さんにお話いただきましょう!

新宅:はい、グロービス経営大学院の新宅です。私は新卒で大手総合通販会社に入社し、Web広告の運用やLP制作などを行っていました。グロービスに入社したのは2019年。コンテンツマーケティングやSEOに携わった経験がない状態で、いきなりオウンドメディア「グロービスキャリアノート」を立ち上げてしまいました。

前田:現在は編集長に就任されたと伺っています! 新宅さんが担当する「グロービスキャリアノート」の概要と、立ち上げた理由について教えてください。

新宅:まず、私が所属するグロービス経営大学院は、次世代のビジネスリーダーの育成・輩出をミッションとする、社会人向けビジネススクールです。

 そして「グロービスキャリアノート」は、20代半ばから30代前半の若手ビジネスパーソンをターゲットにしたメディアです。運営目的は、グロービスのさらなる認知拡大と興味喚起ですね。2020年4月にローンチしてから順調にPV数を伸ばし、直近の2021年8月では月間50万PVにまで閲覧されるメディアに成長しています。

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前田:快進撃ですよね。コンテンツからサービスサイトへの送客数も、開始当初から50倍にまで伸ばされています。

 コンテンツマーケティングには、SNSやメルマガなど様々な手段がありますよね。なぜ記事型のオウンドメディアを選ばれたのでしょうか?

新宅:最大の理由は、今までリーチできなかった潜在層にリーチしたいと考えたからです。グロービスは国内MBA市場での認知度は高いものの、ビジネスパーソン全体で見ると「まだまだ……」という状態です。

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新宅:メルマガやSNSなどの施策もすでにやっていますが、これらが有効なのは「すでにグロービス界隈にいる人」へのアプローチです。たとえば、グロービスの受講生や卒業生、ビジネストレンドやスキルアップに関心が強い人です。そのため、こうした施策だけでは潜在層へのリーチが難しいと考えました。

一方で「自身のキャリアやスキルへの漠然とした不安」は、多くの若手ビジネスパーソンが抱えていますよね。グロービスにはこれまで様々なビジネスパーソンの能力開発やキャリアに向き合ってきた知見があります。それらを活かし、若手の悩みを起点に解決策を提案していく「資産型コンテンツ」を作ろうと思ったのが、立ち上げの理由です。

自社メディアの価値確立に向け、ミエルカを導入

前田:新宅さんはメディアの運営・コンテンツ制作経験がゼロからのスタートだったので、苦労……されましたか?

学校法人グロービス経営大学院 コンテンツメディア企画チーム 新宅 千尋氏

新宅:大変苦労しました(笑)。ローンチ直後はプレスリリース経由の流入もありましたが、それだけでは長期的なメディアの成長は難しいですよね。そこで、SEOに本格的に取り組むことにしました。

 最初は書籍を読み漁ったのですが一般論が多く、「グロービスキャリアノート」ならではの“筋のよい”戦略を描くことがなかなかできませんでした。そのため、具体的なSEOの戦略をアシストしてくれて施策実行を効率よく進められる、クラウド型のコンテンツマーケティング&SEO支援サービス「MIERUCA」(以下、ミエルカ)を検討したのです。

 SEOは成果が出るまで時間がかかるので、最初の3ヵ月ほどは不安でした。しかし、担当のカスタマーサクセスの方に気軽に相談できる環境だったので、実務的にも精神的にも助かりました。

記事の集客力を上げてオウンドメディアの挫折ポイントを回避

新宅:オウンドメディアを日々運用していると、自社コンテンツ資産が成長していく実感がある一方で、「これは途中で挫折してしまう人が多そうだな……」と感じるポイントがありました。

 それが「運用体制が整わない」「集客が伸びない」「コンバージョンにつながらない」の3つです。

前田:この3つは、よくつまづくポイントですね! どう乗り切ったのでしょうか?

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新宅:まず、運用していくにあたってゴールの設定が必要になりますよね。新しいメディアということもあり、具体的な数値目標を立てるのが難しかったため、ひとまず「施策のトライアル回数」をKPIにしました。たとえば、インタビュー企画、時勢を組んだ特集の作成、広告配信、ヒートマップを活用した導線改善など。SEOへの取り組みも、このトライアル施策の1つにカウントされますね。

 もう1つ、日々の業務に追われてなんとなく時間が過ぎていかないように、1年間の行動計画を立てました。具体的には、「1Qは基盤作り」「2QはSEO本格始動」「3Qは検索順位の向上を目指したPDCAの実施」といった形です。

 この2つの工夫によって、数字に追われ過ぎることなく、「ユーザーに役立つ」を第1に掲げたコンテンツ作りに集中することができました。

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1年間の行動計画(クリック/タップで拡大)

新宅:次に、社内の運用体制を整備しました。

 基本の固定メンバーは私と上長。記事ライティングは、グロービスの教員や日々学生たちのキャリア相談に向き合っている事務局スタッフを中心にお願いしています。しかし関わっている皆さんは他に本業があるので、この仕組みだけでは記事を量産することができません。そこで、2つの工夫を施しました。

 1つは、私が作成した構成案を基にグロービスのVoicyチャンネル(音声メディア)でパーソナリティに話してもらい、それを文字に起こして記事化する方法。「専門知識はあるけどライティングは苦手……」という人がいらっしゃった場合、そうした人に話してもらった内容を録音して文字起こしする、というのは記事数を確保していくうえで有効な手段になり得ると思います。

 2つ目は、グロービスのビジョンや授業内容をよく理解している在校生や卒業生にお声がけし、ライティングをサポートしてもらうこと。こちらも、おかげさまで順調に進んでいます。

前田:音声メディアの活用はナイスアイデアですよね。そして、集客を軌道に乗せた最大のポイントは何でしょうか?

新宅:SEOを考えたコンテンツ作りですね。一つひとつの記事の検索順位を上げることで、記事の集客力を最大化しようと考えました。そうすれば、少ない人的リソースでも、高い生産性で運営していけるからです。

「検索ニーズ」を制すれば記事の集客力は上がる

前田:具体的にどのような形でSEO施策を実行し、記事の集客力を高めていったのでしょうか。

新宅:集客力を上げるには、「月間検索数が多いテーマ×検索上位に表示=最大集客」という掛け算で考えることが基本になります。記事の執筆前にメディアとの親和性を意識しながら月間検索数が多いテーマを選び、執筆段階で検索上位に表示されるように工夫しながら制作しています。

前田:月間検索数が多いテーマを選ぶときの流れについて、詳しく教えてください。

新宅:まずターゲットとするペルソナを設定し、その態度変容の流れをまとめました。

 そして、それぞれのフェーズで検索しそうなキーワードをペルソナに合致する知人にヒアリングし、ビジネス系のニュース記事や書籍をチェックして今世の中で関心が強いテーマを探って、リスト化していきます。そのリストが完成次第、ミエルカで月間検索数を調べ、ボリュームの多いキーワードに絞り込みます。

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新宅:次に、検索上位に表示される工夫についてお話します。上位に表示されるということは、「ユーザーの検索ニーズに応える記事」であることが必要です。ただ、これが結構やっかいな点で、何も手がかりがない状態では、検索ニーズを主観で判断しなくてはなりません。自分の主観は世の中の検索ニーズとズレるリスクがあり、せっかく記事を作っても上位に表示されないといった非効率な結果に陥る可能性があります。

前田:私も検索ニーズの調査を長年行ってきましたが、かなり大変で1日がかりになってしまうし、その割には精度に不安があるんですよね。だからこそITも活用して進めることが必要です。ミエルカの場合、1つのキーワードに対してどんなニーズがあるのか、AIが膨大なデータから調査した結果を図で確認できます。それぞれのニーズの多さや、ニーズの分岐点もイメージできる点が、新宅さんのお役に立てたところだと思います。

株式会社Faber Company IMC部マーケティングチーム 前田 絵理氏

新宅:たとえば「論理的思考」などのビックキーワードは月間検索数が非常に多いので、Googleで上位表示されることはとても難しいのですが、検索ニーズをしっかり押さえたおかげで1位が取れました。その記事は、今や「グロービスキャリアノート」の稼ぎ頭です。

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前田:ビックキーワードで1位を取ると、関連ワードからも集客できるようになりますよね。1位になった記事「論理的思考力(ロジカルシンキング)を鍛える3つの方法」だけでも、毎月3万近く集客できていらっしゃいます。

 集客を軌道に乗せた秘訣をまとめると、次の3つでしょうか。

・オウンドメディア立ち上げ時はコンバージョンを追わず、施策を重ねてコンテンツを育てること
・負荷軽減をしながら、社内リソースを活用すること
・1コンテンツの集客力を最大化し、成果を加速すること

 初期は集客力の最大化に振り切ったことが、新宅さんの成功要因だと思います。

コンバージョンにつながるサービスサイトへの送客を高める施策

前田:では最後に、コンバージョンにつながる重要な施策について。担当メディアからサービスサイトへの送客数を飛躍的に向上させたコツを教えてください。

新宅:コツは2つあります。サービスサイトへ送客するリンクのCTRと、コンテンツ間の導線の改善です。

前田:特に送客リンクのCTRはコンバージョン向上の要ですが、コンテンツマーケティングに慣れている人でもなかなか難しいところですよね。

新宅:はい。「こっちの方がクリックされるだろう」という思い込みに陥りがちなので、とにかくテストを繰り返すことがポイントです。

 1つ実体験をご紹介すると、当初記事中の送客リンクは、Wikipediaのように本文中に設置する形にしていたんですね。気になるキーワードが出てきた時点で案内する方が便利だろうと。けれど反応が良くなかったので、段落の終わりなどの記事の区切りがいいところに「詳しくはこちら」といった形でリンクを置いてみるとCTRが大きく改善しました。

前田:そうした細かな改善を繰り返された結果、記事からサービスサイトへの送客総数が50倍に伸びたのですね。

新宅:はい、グロービス経営大学院サービスサイトへの送客をコンバージョンポイントに置いているので、送客リンクの改善は注力しましたね。

 その際に、役立ったのがミエルカのヒートマップ機能です。送客リンクのクリック数が芳しくない記事において、「記事の下の方に設置されているため、そもそも残っているユーザーが少ないのでは」という仮説を立て、どこまでスクロールして読まれているのかわかる「スクロールヒートマップ」をチェックしました。

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新宅:すると、送客リンクがある箇所まで残っていたユーザーは、流入のたった20%でした。だからユーザーが50%ほど残っていて文脈的にも自然になる箇所へリンクを設置し直しました。

 その結果、スマホでは5.7倍、PCでも2.5倍のクリック数改善につながったのです。

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新宅:ただ、記事の中には文脈的にサービスサイトへ直接送客しやすいコンテンツと、そうでないものがあります。送客しにくい記事でも、流入数などの集客力は高かったりと強みがあります。そこで「集客用の記事」と「サービスサイトへの送客用の記事」を分類しました。集客用の記事からはサービスサイトへの送客するの記事へ、さらにサービスサイトと流れる導線を作ることにしました。

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新宅:コンテンツ間の導線改善を行うことで、より一層の成果向上を目指しました。これもミエルカの機能で、「集客力(流入数)」「閲覧力(滞在時間)」「誘導力(他ページへの遷移力)」「成果力(コンバージョン数)」と、記事を4つの特性に分ける機能があったので大変役に立ちました。

前田:ミエルカを上手に活用してくださって、嬉しいです!

新宅:いえ、担当のカスタマーサクセスの方が親身になってくれたおかげです。当時初心者だった私にとって、ツールだけでなく人的サポートも受けられたことは良かったです。オウンドメディア立ち上げ期に、たくさんの施策を重ねる時間をくれた上司に感謝しています。

 コンテンツマーケティングに携わる方のヒントとなり、ご自身の技に昇華してもらえたら嬉しいです。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/12/07 12:00 https://markezine.jp/article/detail/37646