SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

デジタルで広がる、オフライン広告の可能性

SNSで話題になった「Tinder」のオフライン広告を分析!話題化を生み出す3つのコツとは

写真投稿を前提としたクリエイティブによる話題化

 場所の特性を考慮した、SNS投稿前提のクリエイティブであった点が話題化した2つ目の理由だと考えています。

 今回、Tinderが実施した広告は「渋谷駅前」「駅構内」「駅外れのストリート」と大きく3ヵ所に分けられます。

 たとえば、駅構内に掲出された渋谷プレミアムセットは、各私鉄~JR、スクランブルスクエア等の商業施設へ向かう導線上にあるB0(1,030mm×1,456mm)40枚換算の大型広告です。

渋谷駅前の広告
渋谷駅構内に出された実際の広告

 人の流れが途切れることがなく、単純な接触人数で見れば渋谷エリアでも一等地。ただ接触数は確保できる反面、周辺には柱が数多くあり、空間自体に広さがないため、SNS用にクリエイティブ全体を1枚絵で撮影するには不利な立地でもあります。

 今回の駅広告では、「効き目いろいろ tinder」と描かれたクリエイティブ2枚に、コピーが異なる8枚のクリエイティブが並ぶ形が採用されています。面を10分割し、写真に納まりやすいサイズ感のクリエイティブを複数面展開していました。

 これゆえ特徴的だったのが、各個人が気に入った思い思いのコピーの前で撮影した写真が多く投稿されていた点です。

 制作を担当したCAMOUFLAGE inc.の石山氏によれば、8種のコピーはすべて「恋愛」「友達」「推し」といったように、それぞれ角度の異なるカテゴリーから選定。コピー検討段階で話が膨らまなかったものについては、ストーリーが内包されていない分、掲載しても何も感じてもらえないだろうと外しているとのこと。

渋谷駅前の広告
8種のコピー

 コピーごとに1枚のクリエイティブにすることで、自分にとって何かを感じるコピーの前で写真が撮影できる環境を整えたこと。そして、SNSに投稿しても収まりの良いクリエイティブにしたことが効いたと考えています。

 他の広告についても、大型ビジョンで放映された広告は、写真でとらえるのが難しい動画ではなく静止画を採用。15秒間しっかり映すことで撮影しやすい状況を作っていました

渋谷駅前の広告
大型ビジョンに映された実際の広告

 渋谷駅から少し離れたストリートで実施された広告では、カラー豊かなデザインのポスターを交互に並べる形で掲載。1枚1枚で見ても、遠目から見ても、つい写真に収めたくなるような“映え”を演出し、SNSへ投稿を促していました

渋谷駅前の広告
渋谷ストリートに出された実際の広告

次のページ
「マッチングアプリ×駅広告」の意外性による話題化

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
デジタルで広がる、オフライン広告の可能性連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

加藤 誠也(カトウ セイヤ)

株式会社ビズパ アドクロ編集長

 食品メーカーで営業職を経験後、2019年に同社入社。主に、編集長として広告・マーケティングの情報メディア「アドクロ」のコンテンツ制作を担当。「広告巡礼」を日課としており、Xでは見つけた広告事例に考察を添えて発信、テレビ出演やセミナー登壇も多数。 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2021/11/02 07:00 https://markezine.jp/article/detail/37658

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング