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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

マーケティングを経営ごとに 識者のInsight

顧客起点で成長し続ける インバウンドマーケティングを実践するHubSpot Japanの現在地

顧客を理解し、その立場に立つ

――では、廣田さんにお話をうかがいます。これまでのキャリアにおいて、どういった考え方を大事にしてこられたのでしょうか?

廣田:一貫して「顧客心理を理解し、その立場に立って考えること」を大事にしてきました。

 今でも鮮明に覚えているのが、旅行業界にいた20代のころ、お客様にお叱りを受けた一件です。上司の指示で、重要なお客様のお宅にチケットを届けに行ったのですが、私はただお渡しして帰ろうとしてしまった。するとその方が「届けるだけなら郵送でいい。どういう価値をこの場で提供すべきか、考えないといけない」と言われたのです。チケットの確認はもちろん、旅行を楽しみにしておられるのだから、旅先の情報などをこの機会に提供することもできた。自分は顧客の課題や期待を何もわかっていなかったと、深く反省しました。

 その後に飛び込んだIT業界の1社目、DELLでの経験も、その後のキャリアに大きく影響しました。それまで、足で稼ぐような営業しか知りませんでしたが、個人にも法人にも、ネットを活用した非常にスマートな購買体験が確立していました。

 顧客自身がオンラインで簡単にカスタマイズしたPCを購入でき、納期の目安もすぐ確認できることや、マーケティング施策からのお問い合わせをインサイドセールスにつなげ、密にコミュニケーションを取りながら販売につなげる流れなど、顧客に寄り添ったインターフェースや仕組みに衝撃を受けました。

 その後、転職を経ながら新規組織の立ち上げやDX支援など数々のプロジェクトを担当しましたが、旅行業界での件に重ねて、常に「顧客にとっての価値」を最大化する提案や接点の持ち方を意識するようになりました。

組織構築とマネジメントの経験を存分に活かす

――では、なぜ今回の参画を決められたのかお教えください。

廣田:これまでは共同事業責任者という形で伊佐ともう1名が日本市場を率いていましたが、その間にHubSpot Japanのビジネスは急成長しました。この勢いを止めないよう、今後の事業計画を改めて立てて遂行していく上では、一人が代表を務めたほうがいいとの結論に至り、このポジションが設けられました。

 就任のきっかけをくれたのは、同じくDELLおよびGoogleに勤めた経験のある伊佐です。今年のはじめ、HubSpot Japanの状況と今後の方向性を聞き、誘いを受けました。企業の思想やスタンスに共感したことはもちろん、これまでのキャリアと方向性を照らし合わせると、この新しい場所で自分の経験を大いに活かせると強く思い、参画するしかないと思いました。

 直近では、シンガポールにあるBPOの会社にいたのですが、ちょうどHubSpotでも5つ目のCRMプラットフォームとして「オペレーション・ハブ」を4月にリリースしました。オペレーション支援を含めた製品群をいかに活用し、事業成長につなげるかという観点は、様々な組織の構築やマネジメントから得た知見が役に立つと考えました。

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デジタル、顧客視点、信頼の3つがキーワード

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/25 06:30 https://markezine.jp/article/detail/37757

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