テクノロジーを駆使し、一般キーワードのダウンロードが10倍に
──施策の成果を教えてください。
芳賀:機械学習による効率化によって、ブランドキーワード、一般キーワードともに、ダウンロード件数が大きく伸びました。一般ワードは、UNICORNの導入前後を比較したとき、ダウンロードボリュームが10倍ほど上がっています。
以前はASA全体で成果を評価していましたが、現在はブランドキーワードと一般キーワードそれぞれで適正なKPIを設計しています。それぞれの成果を細かく把握できるようになったことで、運用調整や次のプランニングにつながっています。
須藤:ブランドキーワードと一般キーワードの成果がわかるようになったことで、運用の強弱が付けられるようになりました。TVCMや認知型のプロモーションなどを行った際に、潜在層によるブランドキーワードの検索ボリュームが増えるタイミングで入札を強化し、取りこぼしや他アプリへの流出を防ぐとともに、全体の獲得が安価になるため、その機会に一般キーワードの配信を強化するといった具合です。
芳賀:何より、次のプランニングへの納得感が得られました。UNICORNのデータから「予算をどのキーワードにどのくらい配分すれば全体最適化できるか?」がわかり、安心して出稿ができました。
須藤:今回の取り組みでは、芳賀様から「一般キーワードの検索ユーザーに対し、訴求していきたい」と事前にうかがっていました。そのため、私たちからも過去の知見をもとに、「今の市場感でこのキーワードを押さえるには、このくらいの入札単価とCPIが理想です」とご提案することができました。
キーワードの単価には浮き沈みがあるので、タイミングによっては、従来通りのCPIに収まらなかったり、配信ボリュームが減ってしまったりしたときは、他のキーワードで効果を伸ばすなどしてバランスを取っています。その瞬間、瞬間に最適なキーワードを見極めて入札の調整と最適化を実行してきたことが、成果の拡大を後押ししたと思います。
芳賀様としてはチャレンジ要素もあったと思うのですが、私たちを信頼くださり、建設的な議論を交えながら、両社で取り組めました。
芳賀:取り組みの副産物として、UNICORNで様々なキーワードの成果がわかり、コトダマンのASO(App Store Optimization)に反映するキーワード選定の参考情報も得られました。さらにコトダマンに対する市場の反響も見えました。たとえば、「コトダマン」のキーワードを入札している競合タイトルは、時期によって異なります。競合タイトルの動きや意図が温度計のように測れたことは、想定外でした。
テクノロジーを活用し、価値のあるサービスを届ける
──今後の展望を教えてください。
芳賀:iOS14.5リリースのようなユーザーのプライバシー保護は、従来の形だけにとらわれない方法を模索するきっかけとなりました。それゆえに従来の精緻なターゲティングは難しくなってきます。
ただ、私たちマーケターのミッションは、プロダクトやサービスの価値を、多くの方に届けて、伝えていくことに変わりはありません。マーケター自身がアドテクノロジーを理解し、自分たちでチューニングして活用する姿勢が、あらためて大事だなと感じました。
私も、機械学習やアルゴリズムへの理解を深めて、UNICORNのようなプロダクトを使いこなしていきたいです。
須藤:今はASAの運用パートナーとしてミクシィ様を支援していますが、UNICORNから得られる知見やデータから独自の情報を提供し、ASAだけでなく、お客様のマーケティング全体やビジネス成長に貢献できる、マーケティングパートナーになっていきたいです。
横山:私たちUNICORNは、本当に価値のある広告をしっかりお客様に届けていきたいと考えています。ポストIDFA時代に突入し、効果測定やターゲティングに一層の工夫が必要となり、マーケティングは新たな局面に入っています。
クライアント企業の事業・サービスの価値や収益を高めるために、UNICORN社が提供できることは何か? を考えながら、適切なソリューションやテクノロジーをご提供していきたいです。また、App Storeも機能追加や改善により進化しています。ASAのみならず、ASOなども含めたApp Store 全般のマーケティングなど、アプリマーケティング全般のサポートも、強化したいと考えています。