「商品タグ付き広告」で買い回りの促進を狙う
MZ:GOOD EAT CLUBではInstagramのコマース系機能も積極的に活用されているとうかがいました。ショップ開設の構想はいつごろからあったのでしょうか。
毛利:アカウント開設当初から商品タグ機能を利用していました。日々のアカウント運用でエンゲージメントを高め、購買の出口としてショップを活用するのは効率的だと感じたからです。
羽片:日本ではInstagramのユーザー数が非常に伸びているので、これだけ人がいる場所でものを売れるとなれば「すごいことになるぞ」という期待感を持っていました。
MZ:2021年11月2日(火)~11月18日(木)の期間で取り組まれた「商品タグ付き広告」の活用施策についてお聞きします。そもそもなぜ商品タグ付き広告を活用しようと思われたのでしょうか。
毛利:広告運用において、ある課題を抱えていたんです。一般的に食品の“シズル感”を押し出したクリエイティブはCTRが高いので、広告も単品商品にフォーカスした内容に寄っていたのですが、弊社としてはいろんな商品をサイト内で買いまわっていただきたいと考えていました。
「Aという商品を食べたいからサイトを訪問する」というモチベーションの場合、商品が手に入ればそこで終わってしまいます。そうではなく「GOOD EAT CLUBで買い物をする」という体験を広告経由でも作っていきたいと考えていました。
商品タグ付き広告では1つの画像に複数のリンクを設定できる点が大きなメリットだと感じました。通常のInstagram広告では、複数商品のカットを使ったとしても1画像につき1リンクしか入れられません。商品一覧など、ややわかりにくいページヘの誘導をするしかなく、お客様の購買モチベーションを維持することが難しいと感じていました。
また、広告を見たユーザーに「GOOD EAT CLUBにはいろんな商品がある」という印象を与えることもできますし、複数商品の中からご自身の好きな商品をクリックしてもらえるので、買い回りの促進にもつながると踏んでいました。
CTRは通常広告の1.37倍! 獲得効率の良いUGC風クリエイティブ
MZ:具体的にどのような内容で検証を進めていったのですか。
毛利:まずはシンプルに商品タグ付き広告と通常広告で比較を行ったところ、商品タグ付き広告は通常広告に比べてCTRが1.37倍、CVR(購入率)が1.95倍、カートから購入への転換率が2.07倍と、かなり高い数値を示しました。
毛利:商品タグ付き広告の効率があまりにも良く、途中から通常広告の倍の予算を投じて配信したのですが、それでもこの数値に着地しましたので相当な成果を得られたと言えます。また当初の課題であった買い回りについても、ページパーセッションが15%程度増加していることから、解決の兆しが見えました。
次に複数リンクの効果を測るため、1画像に複数商品を写し、リンクも複数設定したクリエイティブと「1画像・1商品・1リンク」のクリエイティブを比較したところ、複数リンクのCTRが平均値の1.1倍と、商品タグ付き広告同様に良い結果が得られました。CVRは1リンクの方が高かったものの、企画によるところが大きいのでそこまで気にしていません。
毛利:商品タグ付き広告や複数リンクの効果は先の検証で見込めたので、次はそれらの効果を最大化させるクリエイティブと企画の検証を行いました。「プロ撮影のシズル写真」「UGC風の温かみがある写真」「イラスト+画像のデザイン」の3素材を比較したところ、CTRが最も高かったのはUGC風でした。