3.消費者としての実力を行使し、状況を変革する「不可能の実現家」

3つ目のグループは、「不可能の実現家」。社会インフラや構造、パンデミックへの政府への対応、格差といった未来を脅かす問題に憤りを覚え、テクノロジーやコミュニティを巻き込んで、消費者としての実力行使によって状況を変革していこうと考えている人々です。
このグループは、「不確かな時間感覚」「鈍感力」「希望」の3つのセンチメントとの関連性が強いと考えられます。未来に対して希望を抱いているため、アクティビスト(社会活動家)的な面が強調されていますが、そこに行き着くまでにはパンデミック禍で味わった不安、共感力の高さによって疲弊してきたことを振り返る意識があります。
肌の色と教育格差が深く結びついていることへの懸念も強く持っており、多様性のある製品やサービス、さらには未来への投資に力を入れる企業については、その商品を買う(または世界に悪影響を与えると考えられる企業の製品やサービスを徹底的にボイコットする)というアクションで、企業のビジネスの方向性に影響を与え、社会を変えていこうと考えています。つまり、企業側はそのアプローチを間違うと、エンゲージどころかディスエンゲージされてしまいかねない消費者群が、消費を牽引する存在として台頭してきているという点にも注意が必要です。
多様性のある企業とコミュニティを支持し、選挙だけでなく「消費」というアクションを通して社会を動かそうとする人々とは、どのように繋がることができるでしょうか。
多様性×環境配慮のあるプロダクトやサービス
文化的なバックグラウンドを考慮し、平等にそれぞれを歓迎する姿勢、かつ環境面を意識した商品ラインナップを意識してみましょう。
ストレスや体の痛みなどをほぐす製品
思いを行動に移すには心身ともにエネルギーがいります。土地の知恵や東洋医学などを掛け合わせた、オーガニックなヒーリンググッズの提案は、声をあげようとするマイノリティを力づける直接的なサポートにもなります。
生活に欠かせない労働者(エッセンシャルワーカー)をサポートする姿勢
エッセンシャルワーカーへの共感が強く、生活を支えてくれる人々を取り上げる姿勢やサービスに惹かれます。よって、それに投資する企業とつながることを可能にするプラットフォームを活用する、といったアプローチも有効です。
消費者が直接的にビジネスや社会に投資・貢献できる仕組み
買い物客がビジネスに直接投資できるルートであるD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)も大事ですが、ポストコロナの中小企業を支えるDTI(ダイレクト・トゥ・インべスター)モデルを魅力的に感じています。社会やマイノリティグループに「何か貢献できる」サブスクリプションボックスやマーケットプレイスなどが考えられます。