市場の動きを先んじて捉え、戦略を変革していく(日本IBM)
2021年を振り返って
市場創造とデマンドの醸成が我々のミッションであることは変わりませんが、コロナ禍の様々な活動制限により、マーケティングはGTM戦略でより重要な役割を担いました。急速に高まったデジタル変容への流れは、デジタルを徹底的に活用したマーケティング・データ分析やパーソナライズ・テクノロジーの進化を促進し、営業とマーケティングの連携強化へとつながりました。たとえばABMでは、顧客の深い理解と分析をもとにパーソナライズされたデジタル・コンテンツや、お客様とともにデザインするスキル育成、デジタル・フィードバックの仕組みなど、デマンドの醸成を超え、長期的信頼関係と顧客体験の創出に繋げることができたと感じています。
2022年のミッション
倫理や公平性、多様性、サスティナビリティへの取り組みを牽引する企業活動において、マーケティングはさらに重要な役割を担うようになっていくと考えています。IBMでは常に市場の動きを先んじて捉え、需要に合わせてポートフォリオやGTM戦略を変革しています。ブランドからデマンドへ、そしてビジネスへ繋がるE2Eのファネルと顧客体験において、デジタルとオンサイトの両方が共存するハイブリッドの環境での創意工夫がより求められる局面となっており、そのミッションをマーケティングが担っていくと考えています。

チーフ・マーケティング・オフィサー,執行役員
風口悦子氏
インフラ系ITエンジニアとしてIBMに入社。営業、アライアンスなどを経て、2010年よりマーケティング職に。B2Bマーケティングのエキスパートとして、幅広い領域でプロダクト・マーケティング部長を歴任し、日本語版Watsonをはじめとした主要製品・ソリューションの大規模ローンチプロジェクトをリード。パフォーマンス・マーケティングのディレクターを経て、2021年より現職である執行役員、CMOに着任。
パーパスを起点に“一貫性のある価値提供”をリード(富士通)
2021年を振り返って
2020年、当社はサステナブルな社会の実現を目指す“パーパス”を策定しました。これまでの「顧客起点」の奥に存在する「社会課題の解決」を実現するため、事業のあり方を大きく変えていきました。マーケティングチームは社会課題の解決とビジネスの両立を可能にする新事業領域の策定、およびそのブランディングをリードし、今年10月に新事業ブランド「Fujitsu Uvance」を発表しました。富士通の事業がサステナブルな社会の実現を目指すという一貫した想いを社内外に伝えるため、「Fujitsu Uvance」を新事業領域の統合ブランドと位置づけています。
2022年のミッション
社会課題と顧客を写像し、ヒト、モノ、カネ、商品、ブランディング、プロモーションのベクトルを一致させ、富士通の力を最大限発揮させることがマーケティングの役割だと考えています。マーケティングは顧客のフロントであり、顧客とその他経営機能との間に存在する唯一の部門だからです。現在、パーパスを起点としたオファリングへとポートフォリオの組み換えを進めています。パーパスを起点とし、社内のベクトルを一致させ、一貫性のある価値提供をリードすること、つまりバリューオーケストレーションがこれから取り組むべきテーマだと考えています。

執行役員常務 CMO
山本 多絵子氏
上智大学を卒業後、三菱商事へ入社。システムエンジニアとして経験を積み渡豪。ニューサウスウェールズ州立大学で修士号を取得後日本のスタートアップ企業のシドニー支店を開設、安定稼働させた後、帰国。日本マイクロソフト、日本IBMを経て2020年に富士通に転籍し、CMOとしてマーケティングのDXをリード。2019年より日本ハンドボール協会理事も務める。