ユーザーに向き合い続けるための組織作りとM&A
次に「2、組織拡大・組織作り」について。BtoB SaaSの成長には、非常に多くの人員が必要です。SaaSは常にサービスをよくしていく必要があるため、開発人員を拡充していく必要があります。またSaaSの継続利用には「運用が定着すること」が必要ですので、カスタマーサクセスを始めとしたビジネス側の人員の拡充も必須です。マネーフォワードでは採用サイトにもMission・Vision・Value・Cultureを記載し、MVVCに共感していただける人員の採用に力を入れています。また入社以降も、経営陣がMission・Vision・Value・Cultureについての考えを定期的に発表するなど、MVVCがしっかりと根付く取り組みも行っています。
「3、M&A」にも、MVVCは関係してきます。SaaSはサービスを良くし続けなければなりませんが、既存のサービスを良くしていくだけでなく、その過程で見つかった新しい課題に対して新しいサービスを展開することも必要だと考えています。しかしサービスの拡充には限度がありますし、場合によっては他の企業がお客様の課題を解決するサービスを既に持っていることもあります。そのため、そのサービスをお薦めさせていただいたり、そのサービスと我々のサービスを連携させていただいたりすることもあります。
新たな課題が見つかった際、「その課題はうちでは解決できません」とばっさり切るのではなく、様々な方法でお客様の期待に応えていくことが重要だと考えており、M&Aもその一環です。M&Aの最大の利点は、完全に同じ方向を向ける点です。サービス連携ですと必ずしも利害が100%一致しないケースもあるのですが、M&Aでグループに入っていただくことで、本当にお客様のことを考えたサービスの提供、パッケージの提案ができるようになります。