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マーケティングを経営ごとに 識者のInsight

広告もアイデアに。Pinterestが“ユーザー軸”で見据える、次の一手

ユーザーにとって価値ある広告ビジネスを展開していく

――では、新生Pinterest Japanとして目指す方向性や事業の軸についてうかがえますか?

 2022年前半期リリースを目標に、現在、広告事業の立ち上げも準備中です。Pinterestはユーザーにポジティブな体験を提供しているとお話ししましたが、それは広告においても変わらない軸です。

 先行して広告事業を展開している海外にてユーザー調査を行ったところ、Pinterestの広告は、ユーザーがアイデアを探している際にアイデアの一部として表示されるため、邪魔にならず、むしろ「アイデアをサポートするもの」と捉えてられているといいます。

 Pinterestはユーザーの好みを学習していく機械学習と、似た画像を認識するコンピュータービジョンに強みを持っているため、ユーザーが求めているアイデアにあわせて、適切な広告を表示することができます。これはユーザーにとっても、広告主にとってもポジティブな体験になると思うので、このあたりの強みを活かした広告の場を作っていきたいと考えています。

 またあわせて、ショッピング体験の向上にも引き続き注力していきます。Pinterest自体の機能拡充に加え、ECサイトの商品データとの連携を進めていくことで、これまでにない、新たなオンラインでの購買体験を提供できると考えています。

 Pinterestの検索の内容を見ると、全体の97%が、特定の企業・ブランドを含んだ検索ではなく、「仕事部屋6畳レイアウト」「バレンタインおしゃれラッピング」などのキーワードで検索しています。つまりアイデアを探してはいるものの、特定の企業・ブランドは決めていないというユーザーが多いということです。

 広告主にとっては潜在層のユーザーにアプローチすることができ、ユーザーにとっては思ってもみなかった新たな出会いができる。そして気に入ったら購買含めたアクションに移すことができる。そんな出会いから購買まで、フルファネルでポジティブな体験ができるプラットフォームを目指して、事業を拡大していきたいと思います。

検索キーワードから未来のトレンドが読み解ける

――広告がアイデアをサポートする存在になるというのは、とても興味深いです。ユーザーの関心軸に沿ってアプローチできるのは、広告主にとっても魅力的ですね。

 そうですね。Pinterestで新しいアイデアを探しているユーザーに対してリーチできる、あるいは購買につなげられるという意味でいうと、瞬発的にモノを大量に売るというより、オールウェイズオンでずっと広告を出しておき、ユーザーの関心時期にあわせてリーチしていくのが強いのではないかと考えています。

 またもうひとつ、Pinterestの特徴として検討段階のユーザーにアプローチできるという点があります。Pinterestに検討段階のユーザーが多いというのは数字でも表れていて、たとえばホリデーシーズンの検索は8〜9月から増えていき、10月の終わりでピークを迎えています。一般的な検索のエンジンより早い段階で検索が発生していることから、Pinterestには検討の前段階から情報を集め始める、意欲的なユーザーが集まっていると考えられます。

――そうすると、Pinterest内の検索キーワードから次のトレンドも見えてきそうですね。

 まさに、そうなんです。Pinterestは毎年年末に、翌年のトレンドを先取りした年刊トレンドレポート「Pinterest Predicts」というものを出しているのですが、様々なジャンルを能動的に検索しているユーザーが多いので、ユーザーの検索動向を見ると、翌年のトレンドが予想できるのです。過去2年のレポートでは、発表したトレンドが平均して80%ほど当たったという実績もあります。つい先日2022年のトレンドレポート(※1)も出したばかりですので、よかったら見てみてください。

※1 Pinterest Predicts 2022

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この記事の著者

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

MarkeZine副編集長。1993年生まれ、島根県出身。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/01/25 06:30 https://markezine.jp/article/detail/38142

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