JEANASISの新訴求軸の発見、新ブランドのニーズ発掘に貢献
MZ:では、実際に得られた成果について教えてください。
大鷹:私がEC担当を兼務しているJEANASIS(ジーナシス)という女性向けブランドでは、DS.INSIGHTを活用することで新しい商品訴求の軸を発見できました。
具体的には、JEANASISの商品レビューとDS.INSIGHTのデータを組み合わせることで、JEANASISの購入者は美意識が高いことがわかりました。たとえばビッグシルエットの商品も、体系を隠すためではなく、スタイルが良く見える、丈感やシルエットがいいといったことを評価いただいています。
また、DS.INSIGHTの時系列キーワードで見ると、JEANASISの検索前後には「着圧タイツ」「美容コスメ」といったキーワードの検索が見られたため、ECの商品ページも美を押すような訴求に変更したり、スタイルがきれいに見えるような商品開発に取り組んだりしています。
坂野:また、2019年10月にデビューした大人女性ブランドのElura(エルーラ)では、まだ社内に十分なデータが蓄積していないため、DS.INSIGHTのデータも組み合わせながら、ターゲットである40~50代の女性の興味・関心や服装に関するお悩みなどを抽出し、それをもとに商品開発などを行っています。
データを活用し、すべての人がファッションを楽しめる提案を
MZ:では、最後に今後の展望を教えてください。
坂野:アダストリアでは、生活を取り巻くすべてをファッションと捉えています。そのため、今後も社内データとDS.INSIGHTを駆使しながら、すべての人がファッションを楽しめる提案をしていきたいです。
たとえば、2020年12月に立ち上げたインクルーシブファッションプロジェクト「Play fashion! for ALL」では、持病や障がいを抱える人のニーズを叶えた洋服を制作しています。このような方たちのニーズを社内データだけで補完するのは難しいです。そのため、「車いす」や障がいに関連したキーワードをDS.INSIGHTで分析しています。
このように、新規事業のデータ活用にもDS.INSIGHTを積極的に活用していきたいです。
荻野:DS.INSIGHTでは新たなオプションプランとして「DS.INSIGHT Persona」 をリリースしました。このプランでは、ヤフーの行動ビッグデータを活用して、指定した条件に合致するユーザーの中から代表的なペルソナを作ることができます。今回は検索データを活用した分析がメインでしたが、位置情報を活用した「DS.INSIGHT Place」 のアップデートも予定しているので、今後も新機能を提供していきたいです。
また、DS.INSIGHTを導入している企業によるコミュニティの立ち上げも検討しています。コミュニティにより、多くの企業がDS.INSIGHTの活用に成功できるよう支援していきたいです。